｜🚪🫧 ページ22
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幼い子供のようなたどたどしい声。
猫が、喋っている。黄色い瞳に、人間めいた意志がある。その目が私たちから草太お兄さんに移り、突然に細められた。
「おまえは じゃま」
「ーー！」
ガタン、と何かが倒れる音がした。反射的に見ると、草太お兄さんの座った椅子が倒れていた。
冷や汗がたらりと頬を伝う。
「え？えっ、ええ！？」
『鈴芽、落ち着いて』
「草太さんっ、どこ！？」
部屋を見渡すが、やっぱりいない。
一瞬前までここにいた草太お兄さんの姿が、どこにもない。仔猫は窓辺でじっとしたままだ。その口元がにたりと笑ったかのように見え、全身が総毛立つ。と、コトッと足元でまた音がした。視線を落とすと椅子が倒れている。何かがおかしい。
「……？」
『……ねえ』
鈴芽の子供椅子は、左前脚が欠けてしまっていて三本脚である。そのうちの一本が、ぶん、と振られるように動いた。その反動で、仰向けだった椅子が横倒しの格好になり、さらに二本の脚で床を蹴るようにして、起き上がった。
絶対にあり得ない現象に、小さい悲鳴を思わず漏らす。
「え……？」
『動いた……？』
椅子は三本脚でカタカタと必死にバランスを取りながら、二つの瞳で私たちをじっと見る。と、今度は自分の体を確認するかのように、顔を下に曲げて自身を見た。なにあれ。
喋る白猫に動く子供椅子。夢でも見てるのだろうか。
「なんだ、これは……」
『「え、ええええー！」』
椅子から声が出た。あの柔らかくて低い声に、思わず私たちは大声を上げてしまう。次から次へと衝撃的な情報が多すぎて、頭がパンクしそうだ。これは、悪い夢なのか。
「そ、草太さん……？」
『草太お兄さん……』
「鈴芽さん……Aさん……俺は……？」
声を聞くかぎり、自分が何をされたのかわからない様子。すると、とたんにバランスを崩し、椅子は前につんのめる。が、即座に前脚を蹴り上げて身を起こし、その勢いでくるくると回ってしまう。必死に三本の脚を動かしている。
カタカタとタップダンスのような音が部屋に響く。椅子はようやく止まり、窓辺の仔猫を見据える。
「お前がやったのか！？」
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なのは菜(2)(プロフ) - 松前菊さん» 松前菊様コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです！応援ありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年11月14日 22時) (
レス) id: 5f9e90fef5 (このIDを非表示/違反報告)
松前菊(プロフ) - なのは菜(2)さんの作品、とっても好きです！是非、頑張って下さい！応援させていただきます！ (2022年11月14日 21時) (レス) @page10 id: 4c0d3a01c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは菜(2)(プロフ) - せいなさん» せいな様コメントありがとうございます！嬉しい出会いに感謝ですね！更新頑張ります！ (2022年11月13日 23時) (レス) id: 5f9e90fef5 (このIDを非表示/違反報告)
せいな(プロフ) - 初コメ失礼します！すずめの戸締りの夢はないのかだって探してた時にこの神作と出会えました！更新頑張ってください！ (2022年11月13日 22時) (レス) @page6 id: d75ed684d2 (このIDを非表示/違反報告)
なのは菜(2)(プロフ) - ゆらさん» はじめまして！ゆら様コメントありがとうございます！わあ、こんな作品を見つけていただきありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです！応援ありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年11月13日 18時) (レス) id: 5f9e90fef5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なのは菜 | 作成日時：2022年11月12日 22時
