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《地震です。地震です。地震です----》という地震警報の無機質な合成音と、激しい揺れと廃墟の軋みに鈴芽は「きゃああ!」と叫びながら耳を塞ぎ、その場にしゃがみ込んでしまう。私もバランスを崩してしまい、水面にばしゃと片膝をつけてしまう。

 とても立ち上がれないほどの、激しく大きな地震だった。教室にいてた時とは全く比べものになれないほどの揺れだ。絢とマミたちは大丈夫かな。お母さんも環さんも。視線を地面から鈴芽の方に上げる。とりあえず、早く鈴芽の近くにいかないと。

 片膝をゆっくりと伸ばし、立ち上がろうとしたその時。鈴芽と青年の上から、ドームの鉄骨が落下していっているのが見えた。


『ーーっ鈴芽!お兄さん!逃げて!』


 腹から全て出るぐらいの大きな叫び声を上げながら、二人の元へ、ゆらめきながらも走って向かう。私の叫び声に気づいた青年は上を見上げると、「危ない!」と鈴芽の体を押し倒す。


「きゃっ!」

『うわっ!』


 目の前にいた鈴芽が倒れてくる。慌てて鈴芽の体を受け止め、バッシャーンと水飛沫を上げて尻餅をつく。その直後にガキン!という思い衝撃音がして、眼前の水面に赤色__血が散った。それを見た鈴芽が「血!?」と腕の中で悲鳴を上げる。

 頭上から押し殺した青年の呻き声が、一瞬漏れる。が、即座に身を起こす。一瞬、私たちを見て「ここから離れろ!」と叫び、扉に向かって駆け出してしまった。あたりを見ると、他の鉄骨があちこちで崩れ、落下し始めていた。

 「うおおぉーー」という青年の雄叫びと、体ごとぶつかる音に耳を傾けながら、体を少し震わせながら彼の背中を見つめている鈴芽に、優しく声をかける。


『鈴芽、大丈夫?』

「う、うん……あ、でもあの人が!」


 「私を庇って怪我を……」と焦りながら言うが、すぐにはっとした顔をする。それと同時にスカートの中のお守りが光りだし、脳裏に懐かしい祖母の鈴を転がすような声が聞こえてきた。


『(__閉じなさい?)』


 どういうことかと思っていると、いつの間にか腕の中にいた鈴芽は、その場で立ち上がっていた。視線の先はあの扉だ。なるほど……やることは一緒か。私もすぐに立ち上がり、鈴芽と目を見合わせる。うんと頷き、私たちは水を蹴って走り出した。


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なのは菜(2)(プロフ) - 松前菊さん» 松前菊様コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです!応援ありがとうございます!更新頑張ります! (2022年11月14日 22時) (レス) id: 5f9e90fef5 (このIDを非表示/違反報告)
松前菊(プロフ) - なのは菜(2)さんの作品、とっても好きです!是非、頑張って下さい!応援させていただきます! (2022年11月14日 21時) (レス) @page10 id: 4c0d3a01c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは菜(2)(プロフ) - せいなさん» せいな様コメントありがとうございます!嬉しい出会いに感謝ですね!更新頑張ります! (2022年11月13日 23時) (レス) id: 5f9e90fef5 (このIDを非表示/違反報告)
せいな(プロフ) - 初コメ失礼します!すずめの戸締りの夢はないのかだって探してた時にこの神作と出会えました!更新頑張ってください! (2022年11月13日 22時) (レス) @page6 id: d75ed684d2 (このIDを非表示/違反報告)
なのは菜(2)(プロフ) - ゆらさん» はじめまして!ゆら様コメントありがとうございます!わあ、こんな作品を見つけていただきありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです!応援ありがとうございます!更新頑張ります! (2022年11月13日 18時) (レス) id: 5f9e90fef5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なのは菜 | 作成日時:2022年11月12日 22時

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