【歌い手】男装海賊少女は青を望む

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このまま暗闇の中にいる方が俺には似合ってるだろ




小さな小舟の上で真っ暗な空を見上げながら




俺の大好きな空




青くて、どこまでも行けるように広がる空




今はもう、星さえも見えない




このまま目を閉じてしまおう




そらる「……Aだったら、俺も助けてくれたりするのかな」




まふが捕まえて、仲間になって、沢山のことをしてきた




いつの間にか馴染んで、心の中に入り込んでいた




そらる(多分あいつらみんなAのこと……)




性別とかそういうのは飛び越えて彼の内面に引かれて




自分を救ってくれた光に手を伸ばしている




そらる(……俺も伸ばしたかったかも、なんて)




もう遅いか、なんて自虐的に笑う




スッと上に伸ばした腕




手のひらを上に向けて空を撫でた




そらる「……好き、だったなぁ……」




いつからとかは分からないけど




ふっと笑って目を閉じて、腕を下ろした




……否、下ろそうとした




『そらるさんっ！』




そらる「っ！？」




手に触れる暖かい温もり




思わず目を開けるとここにいるはずのないAが、俺の腕を掴んでいた




『一人で完結させようとしないでください！貴方は、あんたは！みんなから必要とされてる！！』




そらる「な……」




『みんな貴方の帰りを待ってる！貴方を、望んでる！』




Aは掴んでいる俺の手を自分の額に当てる




『だからっ！！お願い、だから……っ、目を開けて……！！そらるさんっ！！』




こぼれ落ちる滴を拭おうと、手を伸ばした









そらる「っ……あ……」




『っ！そらるさんっ！！！』




まふ「！！そらるさああああああんんんん！！！！ぐえっ！！？？」





天月「こらまふ君！傷口開くからじっとしてて！」




目を開けて一番最初に見えたのは俺を囲むように覗き込んでいるうらたや幹部たち、それとAだった




そらる「ぉれ……」




うらた「４日も眠ってたんだよ、あんた。その間何も食べてないからそろそろ峠だ、ってluzが言うもんだからみんなで集まったら急に脈弱くなったもんだから……」




センラ「でもほんまよかったです……」




そらる「そっか……ごめんね、心配かけた」




まふ「っ、そらる、さん……お願い、します。話してください……４日も眠るほど、何を背負っているんですか……！」




『……luzが言ってました。そらるさんは大きな怪我はしてない。それでもこんなに起きないのは、心の面で何かがあるって』




……ほんと、luzはこんなときに真面目になるんだから

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