【歌い手】男装海賊少女は青を望む

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カイ「あ、船長！」




そらる「よ、今はどこに向かってる感じ？」




甲板に行くと航海士&舵取り組、それとAとセン子がいた




シロ「とりあえずさっきの島から離れるために西南西へ。……これからどこに向かいますか？」




これから




グミル船に出会うことのないであろう航路




16方位で言えば16分の6ぐらいの確率




反対側に行ければ問題はない




だが少しでも航路が重なり、あちらがこの船を見つけたとしたら




(必ず、向かってくる)




見失うまで追いかけてくるだろう




他の選択肢は二つ




沖へ行くか陸よりに行くか




だが陸よりに行ったとして、陸とグミル船に挟まれてしまえば終わりだ




逃げられない




となると沖に行くしか……




でも、でも、でも




もしもの不安が重なる




なんで、いつもならぱっと決められるのに




……それくらい動揺してるってことかな




生憎、俺はあの船関連では運が悪いんだ




“あの日”から




だから、もしかしたら、なんて




『……そらるさん』




そらる「……ん？」




突然かけられた声




『結果がどうなったっていい。そらるさんが決めたことに俺たちは従うけど、それでそらるさんに文句を言うことは絶対ないです』




そらる「！！」




すっと、軽くなった気がした




モヤモヤが少しだけ晴れる




それと同時に浮かぶ違和感もあったけど




そらる「……うん。ありがとう」




Aに微笑んで見せれば、彼も少し笑った




ﾄｸﾘ




そらる「沖へ行こう。陸で挟み撃ちにされるよりはマシだ」




96「りょーかい！！」




俺は強くなったんだ




仲間もいる




負けない









でも、もし誰かが怪我したり、殺されたりしたら




そらる(全部、俺のせいだ)

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