306ページ ページ42
・
左手への温もりで目が覚めた
最初に視界に入ったのは、さらさらと光る金色
『セ……ンラ………?』
センラ「っ!!A君っ!大丈夫!?」
『ぁ、ああ……なんでここに……?』
センラ「目覚めたら、A君が起きたのに胸押さえて気絶したって聞いて……っ!!」
胸押さえて………
ああ、思い出した
なぜかはわからないけど急に心臓に針が刺さったような痛みがして……
今まで感じたことのある痛みとは全然違くて……
なんだったんだろう……?
センラ「……傷は大丈夫?」
『まあそれなりにな。センラは?』
センラ「センラも。痛いけど動くくらいはできるで。……でもセンラよりA君やよ。……守れんくてごめんな」
ぐっと唇を噛んだセンラは目尻に少し涙をためた
『……この前もいったけど、センラのお陰で俺は今こうやって元気でいれるんだよ。だからセンラのせいじゃない』
センラ「っ、やって!センラはっ、何も……」
バッと俺を見たセンラの瞳は少しハイライトはあるものの、濁ったままだった
抱えすぎんなよ
一人じゃないって言ってるじゃんか
辛いことがあるのなら、言えばいいんだよ
『センラ、今みんなは?』
センラ「え……食堂で夜ご飯食べとるよ?」
『センラは食べた?』
センラ「ううん。後で志麻君が運んできてくれるんやって。A君のぶんも」
『そっか』
なら、今のうちかな
俺一人だけで聞くことになるけど、今のセンラにはその方がいいのかもしれない
一人称が変わってしまうほどに不安定になっているんだし
それに……
『……センラ、話してもいいよ?』
センラ「っ、え……」
『口パクパクして、何か言おうとしてるでしょ。……言いたいことがあるなら、話聞くからさ』
なっ、と顔を真っ赤にしたセンラ
「なんで気づくん……!?」なんて小声で言ってるつもりみたいだけど聞こえてるよー?
しばらくしたあと、センラは覚悟を決めたように俺を見た
震えているセンラの拳に手を乗せて、落ち着かせるように包んだ
センラ「っ………ぁ、のね」
ふうっと深呼吸して、話出した
センラ「センラはね、月夜国の貧民街で生まれたんよ。セン子も同じくな。
お金も少ないし、ご飯やってあんまり食べれんかったけど、家族で……父さんと母さんとセン子とセンラ。四人で幸せに暮らしとった。
……けどセンラが12歳になった年のある日、センラたちの家に、あの人たちが来た」
762人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山犬 - 藍さん» 返信遅くなってすみません!!同じなんですか!!……幕張中止になってしまい悲しいです…グスッがんばります! (2020年3月24日 23時) (レス) id: b8d496b207 (このIDを非表示/違反報告)
藍 - とても面白いです!夢主くん【ちゃん】かっこよすぎてやばい…春ツたのしんできてください!私は自宅で…グスッ応援していますグスッ あと調達員のちいちゃんのお名前と私の本名が同じでとても親近感が湧きました!これからも頑張ってください (2020年3月1日 14時) (レス) id: 14a21aa8f5 (このIDを非表示/違反報告)
山犬 - 返信遅くなってスミマセン!ありがとうございます(*´ω`*)私は春ツ、幕張で参加します! (2020年2月14日 22時) (レス) id: b8d496b207 (このIDを非表示/違反報告)
坂田家よりのcrewよりのひきまるメンバーよりの歌い手好き - うらさんとの絡みが好きです!でもまーしぃの控えめな所も好きだし、さかたんとのセンラさんへのイタズラとか、それでも優しくしてくれるセンラさんとかも好きです!あれ?結局僕は浦島坂田船が好きなのか...話変わるけど作者さんは春ツ行きます?僕は当たんなかった... (2020年2月7日 19時) (レス) id: bd128d24b1 (このIDを非表示/違反報告)
山犬 - モノクロさん» ありがとうございます!!そらるさん編は結構最初から波乱な感じですかね……頑張りますっ!! (2019年11月17日 12時) (レス) id: b8d496b207 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:山犬 | 作成日時:2019年8月6日 9時