304ページ センラside ページ40
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どこを見ても真っ暗で
どこを見ても誰もいなくて
一人で
寒い
一度まぶたを閉じて、もう一度開ければ、僕は鉄の檻の外にいた
中を見れば金髪の幼い子供が膝を抱えて泣いている
足首には鎖、首には枷
センラ「………あれは、小さい頃の僕だ」
無意識に手を伸ばす
鉄格子に触れるといつの間にか僕は檻の中にいて
小さな僕の近くに、ペタリと座り込んだ
なぜか溢れ出す涙
それをごしごしとぬぐう
……そんなとき
ふわりと温かい何かが僕を包む
それと同時に耳元で聞こえる優しい声
『センラ、落ち着いて。……大丈夫。俺は大丈夫だよ』
A君だ
『……俺、お前に助けられた。お前は俺の代わりに躾を受けてくれて、うらたたちが来るまで耐えてくれた』
そんなことない……結局、僕は君を傷つけてしまった
ボロボロにさせてしまった
僕が、弱いから
『センラは弱くない。……なぁ、俺さ、お前のこと知りたい。お前が何を抱えてるのか、何がお前を苦しめてるのか』
ポワァッと光を帯び始めた小さな僕の姿
彼は顔をあげて僕を見る
赤く腫れてしまった目はまっすぐに俺の瞳を見ていて
「『分けあおう。センラは一人じゃないから』」
A君と小さい僕の声が重なって、笑いかけてきて
トクリトクリと音が谺する
その光にそっと、手を伸ばした
センラ「っ………ぁ、A……く…………?」
『!センラっ!!』
ゆっくりと顔をあげると目の前にはA君の顔があって
ぼわっと熱が込み上げた
坂田「センラぁぁああぁぁ!!!よがっだぁぁああぁあ!!」
坂田がガバリと抱きついてくる
その後ろからうらたんも抱きついてきて
志麻君はA君の肩に手をおいて笑っていた
センラ「……心配かけました………」
うらた「ほんとだよ。二人してボロッポロになりやがって……」
その時、突如聞こえた物音
志麻「!A!?」
あおい「A君!!」
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山犬 - 藍さん» 返信遅くなってすみません!!同じなんですか!!……幕張中止になってしまい悲しいです…グスッがんばります! (2020年3月24日 23時) (レス) id: b8d496b207 (このIDを非表示/違反報告)
藍 - とても面白いです!夢主くん【ちゃん】かっこよすぎてやばい…春ツたのしんできてください!私は自宅で…グスッ応援していますグスッ あと調達員のちいちゃんのお名前と私の本名が同じでとても親近感が湧きました!これからも頑張ってください (2020年3月1日 14時) (レス) id: 14a21aa8f5 (このIDを非表示/違反報告)
山犬 - 返信遅くなってスミマセン!ありがとうございます(*´ω`*)私は春ツ、幕張で参加します! (2020年2月14日 22時) (レス) id: b8d496b207 (このIDを非表示/違反報告)
坂田家よりのcrewよりのひきまるメンバーよりの歌い手好き - うらさんとの絡みが好きです!でもまーしぃの控えめな所も好きだし、さかたんとのセンラさんへのイタズラとか、それでも優しくしてくれるセンラさんとかも好きです!あれ?結局僕は浦島坂田船が好きなのか...話変わるけど作者さんは春ツ行きます?僕は当たんなかった... (2020年2月7日 19時) (レス) id: bd128d24b1 (このIDを非表示/違反報告)
山犬 - モノクロさん» ありがとうございます!!そらるさん編は結構最初から波乱な感じですかね……頑張りますっ!! (2019年11月17日 12時) (レス) id: b8d496b207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山犬 | 作成日時:2019年8月6日 9時