【歌い手】男装海賊少女は拉致られました

5ページ ページ6

・




部屋を出る




光が眩しい




腕で光を遮りながら出て、慣れてきた頃




『…………は？……嘘、だろ……』




目を開けた先にあったのは見慣れた景色




どこまでも続く海




うらた？「お前が寝てる間に出港したんだよ」




『は？ふざけんなっ！もとの場所へ帰せ！！』




志麻？「……それはできない」




志麻？が立ち止まり俺の方を向いて言った




『……どうしてだよ』




志麻？「……いずれ分かる」




志麻？はまた歩き出した




ついていかないでいると後ろからうらた？に押されて歩かされた




少しして俺の(俺たちの)前には他の部屋と違い装飾が施された扉が




『船長室、か』




ｺﾝｺﾝ




志麻？「……船長、連れてきました」




？「入って」




扉の奥から声がする




ｶﾞﾁｬｯ




志麻？「……失礼する」




俺も志麻？に続いて入る




中に入ると一気に視線を感じた




？「君が侵入者か」




中央の装飾の椅子に座っていたのは青い髪の青年




『……あんたがこの船の船長？』




？「そ。俺はこの海賊船……Sing船の船長、そらるだ」




そらる……あれ、何かひっかかる……？




『……その船長さんが俺に何のようだ？しかもこんなたくさんの前で』




俺は部屋の中を見回して言った




船長さんの右から茶髪で左耳に月のピアスをつけているやつ、ホスト顔でいかにもタラシっぽいやつ、金髪のヘラヘラしているやつ、赤髪のニコニコしてるやつ、さっきの紫と茶色、そして……




『っ！お前……！！』




白髪の顔にバーコードのような刺青を入れた俺を殴ったやつ




？「あ、あのときはごめんね。そらるさんの、僕たちの船を奪おうとするやつは容赦できなくて」




ニコッと微笑まれる




『……べつに、全然へっちゃらだったけどな』




別に可愛かったとは思ってないし




……思ってないし……




うあああああああ！！




『早く言え！』




そらる「……ｺﾞﾎﾝｯ……君についてなんだけど……」




『……どうすればいい』




そらる「この船に仲間として乗るか、下使いとして乗るか、ここで殺されるか、海に沈むかどれがいい？これが君に与えられた選択だ」




『いやそれって強制的に一番最初求められてるようなもんだろ！』




次は人権的な問題だし他はあれだし

6ページ→←4ページ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す