夢主を組織から抜けさせるにはハニトラしかない【降谷零/赤井秀一】

4.褒美 ページ5

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『…いや、そんな顔されても。
そもそも他人の作ったものは毒を盛られる可能性があるから食べないって、出逢った時から言ってたじゃないですか』


ジン「なら今テメェが食え。毒味しろ」


『はぁ…。そりゃあ自分のために作ってるので毒も入れてないですし食べますけ…むぐ！！』


ジンは「御託はいい」と言いながらその辺のスプーンでシチューを掬って私の口内にねじ込むと「フン、毒はねぇようだな」などと勝手な事を言い、そのまま「ご褒美だ」とでも言うように啄むようなキスをしてきた。



『え？？今のキスなんです？』


ジン「先に風呂だ。沸かせ」



ジンはそう言うとキッチンを離れ、超ロング丈のコートを脱ぎながら自室へと消えていった。


この男からまともに質問の答えが返ってきた試しなど今まで一度もないので、無視されても気にしてない。

細かい事などいちいち気にしていたら、ジンに限らずツッコミどころ満載なこの組織の人間と関わっていくのは到底無理なのだ。


でも、言われた事はやらないと脳天に風穴をあけられてしまうので、私は一旦シチューの火を止め、風呂場へと向かうことにしたのだった。




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