16.お代はいくらですか? ページ17
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※ここから先の時系列はミステリートレインの後くらいです。
バーボンside
目的とするバーに入るとカウンター席に突っ伏して酔い潰れた女が目に入る。
僕は迷わずその女に近づき正面で恭しく待ち構えていたバーテンに話しかけた。
バーボン「…お代はいくらですか?」
彼女に気を遣ったのかバーテンダーはその表情は崩さず、無言のままレザーでできたバインダーを手渡してきたので、それを受け取る。
さっと中身に問題がないか確認しようとしたところで連なった酒の量と名前に思わず溜息が出そうになったが、そのまま自分のカードを手渡し会計を済ませた。
バーボン「…まったくどれだけ飲んだんだ君は」
『…あ、ばーぼんだ』
バーボン「…こら、寝るな。
…遅かったので迎えに来たのですが、自分で歩けますか?」
『……うん。…肩だけ…かしてほしいな』
僕がここに来たのはジンが痺れを切らせる前に彼女を回収したかったからだ。
任務が遂行できていればそれでいい。
仮にできていなかったとしたら手を貸してやるつもりでいた。
…まあ、酔い潰れていたのは想定外だったが。
いずれにしろここへ来て正解だったな、と思う。
バーボン「ああ。…いや、腕はこっちに。
それで、ターゲットの情報は手に入ったんですか?」
貸してほしいと言われた肩は彼女の身長では届かない為、その細い腕はこちらの腰に巻きつけるよう誘導した。
念の為、彼女の背にも僕の腕を添えておく。
支えてやればフラつきはするものの案外しっかり歩けるようだ。
バーを背にしてすぐそばの駐車場に停めた愛車まで彼女と共に歩を進めた。
『もちろん。それはバッチリ』
バーボン「…へえ。案外ちゃんと仕事してるんですね」
『…えへへ。ジンに仕込まれてるからね』
バーボン「そこ、足元気をつけて。
…とは言えこんなに酔い潰れるまで飲むのはプロとしてはどうかと思いますがね」
『………いじわる』
バーボン「心配してるんですよ。貴女が人前で酔い潰れるのは、僕が記憶している限りでは初めてですから」
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まゆ(プロフ) - この作品ドストライクです。更新待ってます」 (1月12日 18時) (レス) @page49 id: 808ea90ce0 (このIDを非表示/違反報告)
S4R2(プロフ) - 続きが読みたい (6月29日 10時) (レス) @page49 id: 0477d9d353 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - YUIさん» YUI様、はじめまして!大好きだなんて言っていただけてとっても嬉しいです〜♪(^^)ジンカッコいいですよね♪またどこかで出しますね!温かいコメントありがとうございます! (5月10日 21時) (レス) id: d771ac194a (このIDを非表示/違反報告)
YUI(プロフ) - 初めまして。こちらの作品が大好きです( ^ω^ )ジンさん大好きなので、また出していただけたら嬉しいです♪これからも頑張って下さい( ^ω^ ) (5月10日 19時) (レス) id: 3877204990 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - ウルさん» 嬉しいです(^^)♡笑 風邪をひいてもらった甲斐があります♡笑 (2023年5月6日 23時) (レス) id: d771ac194a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作成日時:2023年4月19日 14時