その愛で揺れる世界【d!】 (ページ3)

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真昼間の訓練所でバンと乾いた銃声が響く。的のど真ん中を銃弾が貫いた
重たい銃を下ろす。撃った反動で手がビリビリした。ふぅと一息つく

「おー、流石ですね」

お世辞なのがよく分かる棒読みの言葉。嬉しくなくて草

『ショッピもいけるでしょ？』
「いやいや、俺初心者やし無理っすよ」

ショッピの打った的を見る。
“わざと”ずらしたかのような位置に穴が開いていた
銃を撃つ姿勢は長年それを扱ってきた経験者そのもの

『…頑張ればいけるんじゃない？』
「頑張りまーす。あ、煙草吸ってきますね。」

言ったそばから練習をサボるな、ショッピ

一通りの訓練を終えて、休憩に入る。
木陰で休んで喉を潤しているとショッピが此方に向かって歩いて来る
……え、こっち来んの？来なくていいからね(切実)

「AさんAさん」
『…………』

「ねぇねぇねぇ無視ですか」
『…………』

頬をツンツン突かれる。こちとら水飲んでんだけど。なにお前見えてない？？

「Aさんって今まで彼氏出来た事あります？」
『、！？、！？！、？』

飲み込もうとした水を勢いよく吹き出した
変なところに水が入ってゴホゴホと咽せる

なんてデリカシーのない質問。乙女の敵だな

「汚…あ、間違えた。大丈夫っすか？」
『大丈夫に見える？？？』

腰にかけた剣に手を伸ばすと慌てて謝ってきた

「で、あるんですか？」
『ないけど』

「え、ないんですか？」
『ないけど(キレ)』

「俺にもワンチャンあるんですね」
『ツーチャンでもない』

「俺頑張ります」
『訓練を頑張ってね』

ここの軍人が恋愛なんて出来るわけないでしょ、なんて言葉は飲み込んだ
そもそも相手が本気なわけないじゃん。なに本気にしてんだ私