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「僕も!僕も探す!
Aさん、写真、一枚だけでもないのかな。
黒子とか、つりめ?たれめ?なんでもいい、覚えてる範囲で教えて」
『彼は写真を嫌いましたから、あるのはピントの合っていない一枚だけです』
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確か、定期入れの間に写真を挟んだはず。
あの写真、ピントも合っていないしぶれぶれで、おまけに画質も悪いけれど大丈夫かな。
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カバンに手を突っ込んで定期入れを探す。
『ええっと、目は垂れ目で..褐色の肌でした。
あっ!彼はカラーコンタクトをしてました。
初めて合った時は、蒼い目だったんです。縹色の、透き通る目。
それが次の日には黒い目になっていて。
彼にいちどそれを聞いたことがあったんですけど、カラーコンタクトだよ、と。
蒼い目が本物なのか、黒い目が本物なのかは教えてもらえなかったんですけど。」
そこまで言ったところで、定期入れをつかんだ。
カバンから出すと、手につかんだ定期入れはするりと私の手からコナンくんの手に渡る。
「貸して貸して!僕一番に見たい!」
何か言う前に、コナンくんは写真を抜き取る。
やっぱり、と呟く。小さな体を私に向き合わせ、
「この人、僕のお友達だよ」
『..えっ?』
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作者名:睡眠ちやん | 作成日時:2018年9月13日 22時