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「それ、潰れる気満々なやつじゃん！」
紗佳の真似をしてピースサインをしてたら軽く頭をチョップされた。
もう既に時計は24時を回っていて痛みで酔いが飛んだと言っても、今週一週間の疲れが溜まって自然と重たくなってくる瞼。
「ほくとくんは明日の土曜日は仕事やすみ？」
「うん。1日空いてるから今日はもう寝な？」
「お言葉に甘えようかな」
両手を合わせてほくとくんの優しさを拝んだ後『絶対洗濯して返すから！』の約束をしてTシャツとジャージのズボンを借りた。シャワーも借りて体をスッキリさせると、ほくとくんが何度もふかふかベッドで寝る権利を譲ってくれた。でも泊めさせてもらう申し訳なさと、足首が痛いこともソファから動きたくないポイントに加算されてソファに横になる私。
「なにか困ったことあったら言ってね。おやすみ」
「うん、ありがとう。おやすみなさい」
寝室に入っていくほくとくんを見送って、そのままゆっくり目を閉じた。
〜〜〜
「…ん〜、さっむい」
寒くて起きたら時計は朝の4時半を知らせていた。流石に寒すぎて二度寝できなさそうだったので、足首の痛みが引いてきたのを確認してから毛布がないか捜索する。
リビングには丁度よさそうな布が見当たらなくて、躊躇いながら寝室を小さくノックする。もちろん、返事は帰ってこなかったけれど、寒くて困っているので心の中でごめんなさいをしてからゆっくり扉を開けた。大きすぎない本棚とデスクとベッドが置かれたシンプルな部屋で、ベッドの隅に顔半分まで布団を覆って眠るほくとくんの姿が見えた。
そろそろ寒さで手足も冷たくなってきたので、起きた時に謝ろうと心に決め、お布団に入れさせてもらうことにした。少し間をあけてほくとくんに背を向けた体勢で、ほくとくんと同じく顔半分までをすっぽりと布団で覆う。
「ぬく〜い…」
まだまだ寝足りない体は温かさに比例して、再び眠りについていた。
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作者名：ふわり | 作成日時：2023年3月10日 19時
