ほろよいリスタート (ページ31)

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ふたりで乾杯ページ31

ｰ北斗sideｰ

「それじゃあ、かんぱーい！」
「乾杯」

ぐびぐびっていう効果音が似合う飲みっぷりがいいA。付き合ってからはほぼ毎週金曜日に居酒屋で飲んで、そのまま土曜日まで俺ん家に泊まっていくルーティンができた。

「ほくとくんは？何頼む？」
「俺ね、揚げ物の気分」
「よし、じゃあサクジュワ唐揚げとカリッとフライドポテトにしよっか！すいませーん！」

ホールスタッフを呼び止めて、メニュー表に書いてある名前通りに注文をするA。律儀なのかボケなのか掴みずらいな。注文が終わって、こちらを向くAがニコニコしながら話題提供してきた。

「ほくとくんは？今日いいことあった？」
「んー、特にないかも」
「そっか〜シンプルに今週1週間疲れたよね」
「あ、でも」
「ん？」

そう。俺にはずっと引っかかっていることがある。

「Aが俺のこと呼び捨てで呼んでくれたらいい日になるかも」
「えっ」

付き合って１ヶ月半くらいが過ぎたけれど、まだ俺の呼び方がほくと「くん」なのだ。俺はAなのに？ズルくない？まぁ、ほくとくん呼びも可愛いんだけどさ。

「えぇ〜ほくとくん呼びで慣れてるから緊張しちゃうよ」
「俺は井上呼びからAに変えたのに？」
「ふはっ確かに！ねぇねぇ、あの時はもう私のこと好きだった？」
「いや、まぁ、そりゃあ…」

Aは俺がいつからAのことを好きだったのか、気になって気になってしょうがないらしく、度々この質問が飛んでくる。だからずっとって言ってるじゃん。