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「〜ってことがあって」
「ほくとくんってさ、Aにベタ惚れだよね」
「えっ」
「えっ」
紗佳の『気づいてなかったの？』が休憩室に響く。次の日には体調が全回復して元気に出社することが出来たし、それもほくとくんのおかげなので、昨日のことを紗佳に伝えてみた。…そしたらそんな急角度で話を振られてバクバクする心臓。
「前もあったよね」
「なに」
「ほら、俺のこと好き？って聞いてみたり」
「あぁ〜確かにあったかも」
「それで？Aはほくとくんのことどう思ってるのよ」
「それは…」
きゅ、急だなぁ。ほくとくんのことを恋愛対象として見たことが無くて、全然想像つかないの。私だって自分が本当はどう思ってるか分からない。返答に悩んでしまって固まる私。
「A、ほくとくんはいい子だよ」
「それは…わかる」
「私はお似合いだと思うんだけどな〜」
カフェラテを飲みながら何故かほくとくんをお勧めする紗佳。
「でもさ、冷静に考えるとほくとくんのことなにも分からないのよ」
「例えば？」
「過去の女の子のこととか、今彼女がいるとかさ…」
「ふふっなんで気になるの？」
「えっなんでって、」
なんでって、ほら、今までほくとくんと恋愛のお話したのって私が大学時代に先輩に片思いしてた時に一方的に話してたくらいしか記憶がないから、ほくとくんのことなにも知らないんだもん。気になるじゃん。
「私もほくとくんの過去とか今とか全然分からないからAから聞いてみなよ」
「急に聞いたら変じゃない？」
「宅飲みの時にふんわり聞いちゃいなよ。自分に興味持ってもらえて嬉しいんじゃない？」
そんなもんかなぁ。酔っ払ってる私が覚えてたら聞いてみようかな。そんな話をしていたら休憩時間が終わって各々仕事に戻る私たち。
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作者名：ふわり | 作成日時：2023年3月10日 19時
