ほろよいリスタート (ページ26)

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ｰ北斗sideｰ

「はあ？北斗、おまえほんとタイミング悪すぎ」
「わかる…俺もあぁ、言っちゃったって思った」

あんだけAに嫌われたくなかったのに、熱出して弱ってるタイミングで告白まがいなことを言ってしまって大後悔中。一刻も早くこの焦りを払拭したくてAの家を出てすぐに樹に電話をかけた。いい歳の男が男友達に恋愛相談するの、女々しすぎるな…。

「そんで？Aちゃんはどんな反応だったの？」
「具合も悪いだろうし、ボーッとしてたかも」
「ほんと病人に何言ってんの」
「ごめん…」

樹に謝るのはおかしい話だけど、今までの恋愛相談の意味がなくなってしまうような出来事すぎて、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。今日普通に話せて嬉しかったのに、また次に会う時どんな顔で会えばいいか分からなくなってしまった。

「また連絡する…」

そう言って通話を終えて画面を見るとAからメッセージが来ていたのが見えた。

『夜遅くまでごめんね、気をつけて帰ってね』

全然平気じゃないだろうに他人に気を配るの、Aらしくて笑っちゃうな。楽しく酔ってる時はあんなに甘えるのにしんどい時は全然甘えるの下手くそでそんな所も可愛いね。もっと俺に甘えて欲しいし、それに応えられる距離にいたい。俺だけに甘えて欲しい。Aが素直に甘えられる存在になりたい。って。

…俺、激重じゃん。

次に会う時、ちゃんと自分の気持ちを伝えて前に進もう。じゃないと苦しくてつらくて、この恋が嫌になってしまう。

好きにならなきゃよかったって思いたくない。