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「佐々木と井上ってそういえば同じとこに入社したんだっけ？」
大学卒業ぶりに再会した私たちは、そのままの流れで同じテーブルを囲って乾杯した。
「そだよ〜意外とまだ2人とも辞めてなくてすごくない？」
ってピースサインをしながら問いかける紗佳に
「たしかに」
と笑うほくとくん。
卒業必修だったゼミで同じ教授のゼミを選択したところが出会いとなった私と紗佳と松村北斗くん。いわゆるゼミメンなのだ。
「みんな辞めたいが言えずにここまで来てるもんね〜」
『ゼミも辞めたい言いながら出席してたよね』って懐かしく思っちゃうくらい過去の話になってしまったんだなあ。
「あ、すいませ〜ん。梅酒ロックひとつくださーい」
店員さんを呼び止めて追加オーダーをする。
「ねねね、Aわりと首まで赤いよ」
「いや、さすがに自分の致死量わかる大人だからあと2杯はいける」
「俺嫌だよ、泣きながら吐く人の介護すんの」
笑いながら忘れたい思い出を言う意地悪なほくとくん。
そういえば片想いしていた先輩に振られ、失恋をゼミメン飲みで慰めてもらったなあ。後半はほとんど記憶ないけど。
「いや、大丈夫だよ。さすがに社会人にもなって吐くほど飲むのは私も引く」
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作者名：ふわり | 作成日時：2023年3月10日 19時
