73･ ページ36
ジョングクさんのマンションについて一人で悶々と考え事をする。
さっきの人…彼女さんかな？
もし仮に彼女だったとしたらどうして私をここに置いたんだろうか。
今まで沢山かけてくれた沢山の優しい言葉は何だったんだろうか。
そこでふと思い出す。
「Aは俺の娘兼妹だから」
優しい言葉をかけてくれる度に妹とか娘とか言う言葉を強調してきたジョングクさん。
それは優しくしてあげるけど、家族としてだから勘違いするなよ、という私への牽制だったのだろうか？
胸がギュッとなって上手く息が吸えなくなる。
もしそうだったとしたならば、私はジョングクさんにとってなんの価値のない人間どころか、いたら迷惑なヤツでしかない。
私のせいで彼女を家に呼べないし、私に付き合ってくれているせいで帰りもはやくかえってこなければいけないんだから。
ジョングクさんは何も悪くないはずなのにモヤモヤして裏切られた気持ちになった。
でも、ふと気づく。
人に迷惑をかけない、が私のモットーのはずなのに何人のスネを齧って生きることが当たり前になっていたんだろう。ジョングクさんは言うなれば被害者だ。
慣れることって怖い。人に頼ることを当たり前だと勘違いしてしまった自分に嫌気がさす。
『なんだ…悪いの全部私じゃん。』
とめどなく流れる涙を抑えることなく自分の荷物をまとめボストンバックに突っ込む。
そこに気づいた以上私はここにいる訳にはいかない。
妹でも彼女でもない私は他人であるジョングクさんに頼ってはいけない。
荷物は1時間弱でまとめ終わってしまった。
かなり長くジョングクさんの家にいた気分になっていたが、実の所1ヶ月ぐらいしか一緒に生活していなかったのか。
ここでも自分の小ささを実感する。
それでも荷物がここに来た時よりも多くなったのはジョングクさんにたくさんのものを買い与えてもらったから。
お金…どうしようかな。とりあえずここに来て買ってもらったものの代金だけでも、封筒にまとめておこうか。
自分のあるだけのお金をまとめてみたが借金どころか買ってもらったものの代金すら賄えないことに気づく。
改めて自分の力のなさを感じて悲しくなる。
止まる気配のない涙。残ったお金の少なさが私の存在価値のように思えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 424人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Blue(プロフ) - 桜桃さん» 了解です！完結したら書かせていただきます。ブラックジミン、良いですよね笑 (2022年11月28日 19時) (
レス) id: b9849a8568 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - Blueさん» わぁ〜私の作品も読んで頂けてるなんて光栄です。リクエスト的な物ですが、私、Blueさんの描く ブラックジミンに診察される シチュエーション大好きなんです。無理をして体調崩して ジミンに診察されてるパターンがまた、みたいです。 (2022年11月27日 23時) (レス) @page50 id: 905d7f2212 (このIDを非表示/違反報告)
Blue(プロフ) - 桜桃さん» わざわざコメントありがとうございます！私も桜桃さんの作品が大好きでよく読ませて頂いてます。本当にコメント嬉しかったです。このお話を読んでくださりありがとうございました！ (2022年11月27日 21時) (レス) id: b9849a8568 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - お話が面白すぎて…こんなに更新頻度が早いのに…待ちきれなくて、何度も読み返しちゃってます。これからも、楽しみにしています (2022年11月27日 14時) (レス) id: 905d7f2212 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Blue | 作成日時：2022年11月4日 19時
