今日も彼女は笑顔を作る 【HQ】

届いてほしかった。 ページ8

『じゃあ俺、大地のとこ行ってくるわ』









部員4人と顧問が不在の中、何とか部活をやりきった私達。









今は皆帰り支度を始めている









そんな中

『やっちゃん、大丈夫かな…？』

『あのボールを投げたの俺だし…
ちょっと俺も保健室に行ってくる』

『じゃあ俺も行く』

と皆が次々にそう言った









私も谷地さんの事が心配だったけれど









自分の身体の方もかなりやばいため今日は急いで帰る事にした









…確実に、部活を始める前よりも悪化してる









『すみません、先、失礼します』









体育館を出る時に私はそう一言言った。









けれど、私の声は谷地さんの心配をしている皆には届かなかった。









.









「……」









1人、暗くなった道を歩く









…気持ちわるい、









さっきまでは吐き気などはなかったのだが、帰り道を歩いている途中に急にでてきた









頭がガンガンして、酸素も薄い気がする









途中、目眩もして一度止まった









「どうしよ…」









家までは、まだ少しある









それなのに、吐き気やダルさはおさまるどころか酷くなる一方。









…やば……









これ以上立っていれないし歩けない、と思った私はその場にしゃがみ込んだ









意識が朦朧(もうろう)としてくる









あぁ、このままじゃ

家に辿り着けないや…。

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