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「そんじゃ俺、着替えてくるわ。

またね、Aチャン♪」

「あ、はいっ…!」



すると小笠原先輩はあたしに向かってニコッと笑いかけたあと、手を振りながら店の奥に消えて行った。



あたしは思わずドキリ…。



そしてそれを見送りながらなぜか、大きなため息をつく拓弥。




「……だから来るなっつったんだよ…」




……え…?


なんか今ボソッと…



そして自分も背を向けて、カウンターの向こうへ戻って行った。



なに怒ってんだろ…

いつにも増して…




「ふふふ…やだぁ〜♡

ほんと可愛い拓弥くん」


「えっ…!?」



だけどそれを見てなぜかあやか先輩は笑ってる。

しかも可愛いとか…


よくわかんないよ〜…


あ、でもそんなことよりあたし、小笠原先輩に名前覚えられちゃったんだ。




そっちのほうが大事件…!




「きゃーでもどうしよう…

憧れの小笠原先輩と喋っちゃったぁ〜♡」

「え、かいくん?

あぁ、Aってかいくん好きなんだっけ?」

「好きですよ!超タイプ!!

だって去年の学園祭超カッコよかったじゃないですか!」

「あ〜、なんか出てたっけ」




あやか先輩はなんかまったく興味なさそうだけど、あたしはもう嬉しくてニヤニヤが止まらない。


だって今まで憧れの先輩を遠くから見てることはあっても、

こうやって直接話したりとかお近づきになれることってなかなかなかったんだもんね。




「あたしバンドマン大好きなんです♡

小笠原先輩ってフレンドリーで話しやすい人なんですね!

っていうかあやか先輩知り合いだったんですか?

それならそうと早く言ってくださいよ〜」



「え、知り合いっていうか同クラなだけだよ。

てか、かいくんイケメンだけど女好きのナルシスだし。

だからあんな可愛いとか真に受けちゃダメ。みんなに言ってるから」




またまた〜、あやか先輩ったら小笠原先輩の魅力分かってないなぁ…



バンドマンなんてちょっとナルシストなぐらいがちょうどいいんだって。



でもまさか同じクラスだったなんて、羨ましい〜!

遊びに行っちゃお!









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作者名:ポプ子 | 作成日時:2017年10月9日 0時

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