story7 ページ9
あまりにも予想外の出来事に頭を抱えていると先程まで黙っていた土佐弁の彼が声をかけてきた。
「なんじゃ、資材がないんやったらわしが取ってくるぜよ」
「っ、俺もまだ動ける」
確かに無い以上は仕方がない、取りに行く他ないのだが。
障子に寄り掛かっている彼の本体も刃こぼれが酷い。この状態の彼らを戦場に連れていくのはあまりにも無謀すぎる。
『…………こんのすけ、資材が効率良くたくさん取れる場所はある?』
「えっと、有るにはあります。遠征で幾つかの場所にいけばある程度手に入りますが、その分敵は強くなりますし、ここにおられる刀剣男子達全ての手当てをする為の資材を集めるとなるとかなりの量を往復するしか、、、」
『そう、分かった』
こんのすけの話を聞き終えるとゆっくりと立ち上がり、転移装置へと案内を頼む。
ここに来る前政府の人間から聞いた話によると、時空間転移装置という最新装置を使い刀剣男子達は時間を遡るらしい。
聞いただけなので使い方はさっぱり分からないがその辺はきっとこんのすけが教えてくれるだろう。
それにしても僕が眠っていた間にこの世は大分と進化を遂げていたらしい。
その進化に驚きながら歩いていると後ろから呼び止める声が聞こえる。
「おいっ、待つんじゃ、おんし何をしようとしちょるんじゃ!?」
『…………怪我人はあまり動かない方がいいですよ?傷が開いちゃうんで』
「そうやのうて!!おんしゃみたいな子供一人で戦場に行く気やないやろな!?」
『むっ、大声も駄目ですよ傷に響いてしまいます。とにかく貴方もボロボロなのですか大人しく部屋で寝ていてください』
「っだから」
『自分は政府に貴方達を救うよう命令されて来ました。任された以上は必ず成し遂げてみせます。ですので大人しくしていてください』
なかなか食い下がらない彼を諭すようにそう告げる。
俺は仕事はきっちりとこなす派の人間なのだ。例え不足の事態が起ころうともそれは変わらない。
それにきっと政府もこの事を知っていて僕に任せたのだろうし、期待通りの成果はあげないとね。
俺の仕事への熱意を感じたのか彼はこちらへ伸ばしていた手を下げ下を向いてしまった。
前を向きなおし歩みを再開させた俺には、諭した時に無意識に細められた鋭い目に彼が圧倒され怯えていたことなど分かる筈もなかった。
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カモ太郎(プロフ) - マカロンさん» コメントありがとうございます。応援嬉しいです!出来るだけ更新できるように頑張ります! (2018年7月26日 16時) (レス) id: c7ec78e799 (このIDを非表示/違反報告)
カモ太郎(プロフ) - チェシャさん» かなり遅くなりましたがコメントありがとうございます。不定期更新ですがお楽しみ頂けると嬉しいです! (2018年7月26日 16時) (レス) id: c7ec78e799 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - とっても面白いです!!これからも頑張って下さい!応援してまーす!! (2018年7月18日 18時) (レス) id: e08e47c2f9 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ - これからのてんかいが気になります!更新p(´∇`)q ファイトォデス♪ (2018年7月10日 0時) (レス) id: bce2687db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カモ x他1人 | 作成日時:2015年7月25日 0時