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ユンギさんに続き、会議室に入る。
この中に入るとだいたい2人っきりだ。
yn「お待たせ。」
『いえ、お忙しいのに、ありがとうございます。』
yn「んーん。で、どう？」
私はいつも通り、今気になっている企業や説明会、社員面談での感想を話した。
ただ、さっきのホソクさんの言葉のせいでか、ユンギさんの顔が見れない。
尊敬する人に影で褒められるのは、思っていたより嬉しいようだ。
それが、例え嘘かもしれなくても、私の心は舞い上がっていた。
そう、舞い上がっちゃってた。
yn「んーじゃあ、そこの選考は進めるか…。
エントリーシート書いてきた？」
『あ、はい。これです。』
yn「ふーん…」
ユンギさんが紙に目を移したのを良いことに、私は彼を盗み見る。
少し疲れている顔、やはり線は細いし小柄だ。
この会社は皆んな大変そうだけど、やり甲斐があるのか楽しそうに働いている人が多い。
ユンギさんも、元々は私達と同じ、ここのインターン生だったらしいし、私も社会に出て数年、いや10年以上かかるかもしれないがスキル身につけて、いつかここで働けたらな…そんなことを考えながら、ユンギさんの手元に視線を移した。
そこから、先は何を言われたのか覚えてない。
気づいたら、面談は終わっていて、私は資料作りに励んでいた。
jm「Aちゃん、なーんか元気なくない？なに、面談でいびられた？笑」
『いや？まぁ、ユンギさん言う内容は厳しいですけど、言い方優しいんで。』
jm「あー、わかる。だから、メンタルやられないし、むしろアドバイスがスルッとお腹に入ってくるよねぇ」
『ですねぇ、あ。そういえば』
jm「ん？」
『私、初めて知りましたよ。
ユンギさんって結婚してるんですね。』
jm「えぇ？知らなかったの？
奥さんも綺麗って有名だよ！
今年の夏にも子供が2人目産まれたんだって！」
『へぇ、人生充実してて羨ましいなぁ』
jm「え〜なに、それで元気ないの？笑」
『そうかもですね、なんか見せつけられた感じで笑
なんか、より彼氏ほしくなりましたよー』
jm「ふふっ、Aちゃんならすぐできるよう〜」
あのとき、目線の先には
ユンギさんの薬指には
シルバーの指輪があった。
だからといって、別になんでもない。
ただ、あっただけだ。それだけだ。
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作者名：ナノ | 作成日時：2023年7月9日 13時
