夢の本音 (ページ3)

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あれから、特にユンギさんとは何もなく、存在すら忘れていた頃。

8月半ばに、私はテヒョンさんと映画に行くことになっていた。

一度、仕事を教えてもらった際に、好きな映画や趣味が似ていて、意気投合し、誘われた。
テヒョンさんは、同じ大学の先輩、ジミンさんと同い年の人で、インターン生の中で1番イケメンと言われている。
そろそろ彼氏が欲しい私としては、申し分なさすぎる人だった。

ただ、先輩達までもが、テヒョンさんと私がくっつくように仕向けているのが、面倒くさく感じる。

まぁ、でも、イケメン人というだけあって、私も久しぶりに気合を入れて集合場所の池袋に行った。
夏だから、当然暑く、久々に着たノースリーブからでている腕が、日焼けしないかという心配ばかりしていて、正直、テヒョンさんの会話に集中していなかった。

v「ねぇ、ポップコーン食べない？」
『はい、食べましょう。』

私は映画で何も食べない派です。特に好きな映画は。

v「ねぇねぇ、この映画おもしろそう〜」
『そうですね、行きたいです。』

予告大好きなので、黙って下さい。

v「ポップコーンぜんぜん減ってないよ？食べないの？」
『はは、食べまーす』

限界だった。
テヒョンさんは悪くない。私が悪い。心が狭いのはわかってる。
でも、映画中に話しかけたり、横からチラチラとこちらをみられては、楽しみにしていた映画が台無しだ。

そのとき、私はデートで映画はぜったい来ないと誓った。

v「夜ご飯なに食べたい？」

『ごめんなさい、父に怒られるので帰りますね』

みえみえの嘘。
テヒョンさんは嫌な顔せず、そっかぁと笑って駅まで送ってくれた。
その顔を思い出すと、電車の中で送られてきたメッセージに既読はつけられなかった。

それでも、テヒョンさんはインターン先でも、大学でも、会えばにこやかに話してくれる。
まるで、何もなかったかのように。とても、有り難かった。

それから半年後、テヒョンさんは私の後輩と付き合う。
2人とも美男美女、凄くお似合いで、心までもが綺麗同士のカップル。

私の心は、綺麗ではなかった。

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