◎会いたくて、会いたくない（2） ページ42
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こんなことになるんだったら、伝えておけばよかった。君のことが好きだと。君のことが好きだから、俺は、気にかけているんだと。可愛い弟みたいだからとか、単に居心地がいいからとか、そんな理由じゃなくて。もっとそれ以上の、特別な存在として、想っていることを。
『……ふ。なーんてな、今更そんなこと思ったって遅い遅い……』
そんな綺麗な愛情じゃなくて、もっと重くて、どろどろして、絡まって歪だから。伝えればきっと、嫌われてしまうから。それが怖くて。だから蓋をしていた癖に。……あーもう、やめようやめよう。
折角、締め切り近かった仕事が全て片付いて、やっとゆっくりできるんだから。
今度はゆっくりと慎重に、椅子から立ち上がって、伸びをして。気持ちを切り替えるために、一度ほどいた髪を、きゅ、と結び直して。今の時間は、夕方過ぎ。……あー、何しよう。松永さんでも誘って飯行くか？もうそろそろ仕事終わるかなあの人。仕事人間だから無理かな。
コンコンコン。3回のノックが聞こえたかと思えば。作業中でも気がつけるようにと設置した、誰かが訪ねてきたことを知らせるライトが、チカチカ、と光って。噂をすればかな、と。
ドアスコープを確認もせずに、ガチャリと扉を開けたから。思わず、固まってしまった。
え。は。
ここがどことか、今何時かとか、何をしようとしていたとか、情報が全部吹き飛んで。文字通り、頭が真っ白になって。ただ、目に映る、君だけに。色がついて。
『な、んで、』
「……お久しぶり、っす、」
いま俺が、一番会いたくて、一番会いたくなかった。葛葉くんが、そこにいた。
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あんこ(プロフ) - もうこのお話を読むために日々頑張っていると言っても過言では無いくらい大好きです😇💗無理なさらない範囲で頑張ってください！！応援しています-`📢⋆ (3月24日 0時) (
レス) @page45 id: 176a047b16 (このIDを非表示/違反報告)
seeenraaa(プロフ) - 最近の生きる楽しみです😭💖えーるさんのお話大好きです！更新ありがとうございます🙇🏻♀️ (3月22日 0時) (レス) @page43 id: 42880fca27 (このIDを非表示/違反報告)
ゅ ぅ ゅ 。(プロフ) - はぁ~~~~……すき。 (3月9日 23時) (レス) @page18 id: 306f53c7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えーる | 作成日時：2024年3月5日 23時
