◎誰よりも（1） ページ39
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kzh side
｢葛葉、姫龍さんとなんかあったでしょ｣
今日は1日、くろのわでのスケジュールで埋まっていて、今はその休憩中。少しふたりで話そう、と叶に誘われて、人気のない休憩室の前で、背もたれのない長椅子に座って。
がこん、自販機から飲み物が落ちる音が、やけに響くな、と。
叶の問いに対して、流石に、なにもねえよ、とは返せなかった。というのも、ここ最近、俺は仕事中にまで上の空になることが増えて。それをライバーやスタッフ、あろうことかリスナーにも指摘されて。何かあったか、なんて、言わずとも明白だった。
ましてや、俺の心を保つ空間が、とある人物ひとりだけで成り立っていることを知っている叶からしてみれば。俺の不調の理由に、姫龍さんが関係していることは見破るまでもなかったのだろう。
｢……姫龍さんと、暫く会えてねえ、からだと思う｣
毎晩、毎晩。姫龍さんからの連絡を、ただひたすら、待って。今日こそは何かの気まぐれで。俺に会いたいって、思ってくれているんじゃないかって。期待した分だけ、よりたくさんの虚しさが押し寄せると、分かっているのに。それでも。
もしかしたら、って期待していないと、壊れてしまいそうで。俺が俺であるためには、姫龍さんの存在が、必要不可欠だから。
あの人を思いながら、あの人の名前を、何度も、何度も、繰り返して。涙が頬を伝って、染みをつくっていくのも、気にならないくらいに。
｢ふーん……それで、言ったの？姫龍さんに、会いたいって｣
｢は……｣
余りにもあっけらかんと、叶がそう言うから。言える訳、ねえだろ。何言ってんだコイツ。素直にそう思って。俺はずっと、ペットボトルを握り締めた自分の手元を見て、俯いていたから、分からなかった。
叶の言葉に、顔を上げて、やっと視線を合わせて。思わず、目を見開いた。
コイツが、こんなに冷たい目をして、俺を見ていたなんて。
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あんこ(プロフ) - もうこのお話を読むために日々頑張っていると言っても過言では無いくらい大好きです😇💗無理なさらない範囲で頑張ってください！！応援しています-`📢⋆ (3月24日 0時) (
レス) @page45 id: 176a047b16 (このIDを非表示/違反報告)
seeenraaa(プロフ) - 最近の生きる楽しみです😭💖えーるさんのお話大好きです！更新ありがとうございます🙇🏻♀️ (3月22日 0時) (レス) @page43 id: 42880fca27 (このIDを非表示/違反報告)
ゅ ぅ ゅ 。(プロフ) - はぁ~~~~……すき。 (3月9日 23時) (レス) @page18 id: 306f53c7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えーる | 作成日時：2024年3月5日 23時
