◎依存（1） ページ37
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｢姫龍さん、最近寝てないでしょ｣
『……なに、いきなり』
｢ほら。喋り方に覇気がないもん｣
『もともとこういう喋り方だよ……』
ソファーに並ぶクッションのひとつを両手で抱きかかえながら、じっとりとした疑いの目で俺を見つめてくるのは、今日も今日とて俺の作業室に入り浸っているセラフ・ダズルガーデン。お前は何のために事務所来てんだ。働け。
｢何で寝れてないの？もしかして葛葉さんに会ってないとか？｣
『……何でそこで葛葉くんが、』
出てくるんだよ。そう声に出そうとして、止まった。葛葉くん、響きが懐かしい。久しぶりにその名前を口にしたな、と感じるくらいに、彼と会っていないのか。いつから？
PC横に置かれた卓上カレンダーに目を移して、ひとつ、またひとつ。
『……13、14……今日でちょうど2週間会ってないな』
｢……まじで言ってる？｣
思えば、こんなに長い期間会っていないのは、当たり前みたいにお互いの家に入り浸るほど深い関係になって以来、初めてかもしれない。
と言っても、全く連絡をとっていない、訳じゃない。毎日、おやすみ、は欠かさずに送っている。一応、仕事が滞っていて、家に行けないことを、伝えるために。
まあそんなことしなくても、君は俺のことを待ったり、なんてしていないと思うけれど。
｢はあ……姫龍さん、気づいてないみたいだから言うけど、ここ2週間、どんどん顔色悪くなってるよ。食事もまともに摂ってないみたいだし……家にもあんま帰ってないんでしょ？松永さんに聞いたよ｣
『…………』
顔色、か。確かに、気にもしなかったな。彼に会う準備をする時しか、鏡なんて見ないから。食事をとるのも、忘れがちになってしまった。彼の食生活の偏りは、気になって仕方がないのに。
なんて、思いながら。まあ、セラフの言っていることは全て事実で、言い返す言葉もない。ただ、ぼーっと、黙り込む俺を見て、セラフは呆れたように、ため息をついた。
もともと不眠症で、眠れないことが多い俺は、松永さんに家で寝ろ、と口酸っぱく言われても。寝るために家に帰ったって、まともに眠れないのに、と、家に帰るメリットを感じていなかった。
だから帰らずに、眠らずに、作業室に篭もりっぱなしで。その割に、大して作業は捗っておらず。効率の悪い選択肢だと、分かっている。何を意地になっているんだ、と。
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あんこ(プロフ) - もうこのお話を読むために日々頑張っていると言っても過言では無いくらい大好きです😇💗無理なさらない範囲で頑張ってください！！応援しています-`📢⋆ (3月24日 0時) (
レス) @page45 id: 176a047b16 (このIDを非表示/違反報告)
seeenraaa(プロフ) - 最近の生きる楽しみです😭💖えーるさんのお話大好きです！更新ありがとうございます🙇🏻♀️ (3月22日 0時) (レス) @page43 id: 42880fca27 (このIDを非表示/違反報告)
ゅ ぅ ゅ 。(プロフ) - はぁ~~~~……すき。 (3月9日 23時) (レス) @page18 id: 306f53c7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えーる | 作成日時：2024年3月5日 23時
