願っている ページ30
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srp side
『ん、いらっしゃい。また来たの』
「うん。にじクイの収録始まるまで匿ってもらおうかと」
『笑 なにそれ、誰に狙われてんの』
この人のことが好きだ、そう思ってから。俺は仕事で事務所に行く度、この人のいる作業室を訪れて。何度も何度も訪れるうちに、気心知れた仲になって。そして、気づいたことがある。
｢…姫龍さん、今日葛葉さんと会う予定あるでしょ｣
『えっ……なに、俺のスケジュール帳見たの？』
｢ううん。姫龍さん今日機嫌いいから。そうかなって思っただけ｣
『……お前、変なとこで鋭いな』
｢ふふん、姫龍さんと違ってね〜｣
『俺いま喧嘩売られた？』
姫龍さんは、葛葉さんのことが好きだ。これは俺の憶測ではなく、事実である。最近では、俺が姫龍さんの気持ちに勘づいていることに、姫龍さんも気づき始めたのか、あまり隠さなくなった。それからもう1つ、俺は気づいたことがある。
俺は確かに、姫龍さんのことが好きだ。けれどそれは、姫龍さんが葛葉さんに向ける"好き"とは、全くの別物である。
姫龍さんは、人と距離を縮めるのが上手だ。なんというか、自分のペースに持ち込むのが、上手、というか。俺もまんまと乗せられて、あっという間に姫龍さんのことが好きになった。
けれど姫龍さんは、誰に対しても、ここから先はダメだ、とでも言うように。期待を持たせるようなことは、一切しない。もちろん、葛葉さん以外には。
だけど俺は、その距離感が心地よかった。一線を引いた上で、それをお互いに分かった上で、成り立っているこの関係が、心地よかった。
何より。俺にとって、数少ない、信頼できる人間が増えたことが、安心できる場所が増えたことが、嬉しかった。
姫龍さんのいる場所は、俺にとって、完全なる安全地帯のようなもの。落ち着くから、何となく居心地がいいから。そんな理由で、俺は頻繁に、ここに来ている。
｢ねえ姫龍さん。この後打ち合わせあるでしょ。俺もスタジオ入りもうすぐだから、途中まで一緒にいこ｣
『別にいいけど……なに、何か企んでる？怖いんだけど』
｢何も企んでないって〜〜｣
俺はね、姫龍さん。姫龍さんの恋が上手くいくことを、誰よりも願ってるんだよ。
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あんこ(プロフ) - もうこのお話を読むために日々頑張っていると言っても過言では無いくらい大好きです😇💗無理なさらない範囲で頑張ってください！！応援しています-`📢⋆ (3月24日 0時) (
レス) @page45 id: 176a047b16 (このIDを非表示/違反報告)
seeenraaa(プロフ) - 最近の生きる楽しみです😭💖えーるさんのお話大好きです！更新ありがとうございます🙇🏻♀️ (3月22日 0時) (レス) @page43 id: 42880fca27 (このIDを非表示/違反報告)
ゅ ぅ ゅ 。(プロフ) - はぁ~~~~……すき。 (3月9日 23時) (レス) @page18 id: 306f53c7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えーる | 作成日時：2024年3月5日 23時
