ちぎれた絆 ページ13
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Aside
城内が騒がしい、何かあったの？
『ｯ』
血の、匂い？！
『ヨナっ、父上っ』
走る、廊下を、外を、走る
「貴方達の知っているスウォンは最初からいなかったんです。道を阻む者があれば切り捨てます。誰であろうと」
ス、ウォン？
ｯｯ！！
ヒノカミ神楽 円舞一閃
ズドォォン！！
「「！！」」
『これは、どういうことかな。スウォン。
なぜ、貴方のその刀から父上の血の匂いがするの？
どうして、ヨナとハクはこんなにも傷付き悲しい匂いをさせているの？
ねぇ、スウォン』
「A様！」
『遅れてごめんね。ハク、ヨナ。もう大丈夫。
私がいる限り、2人は死なせない』
分からない。ねぇ、スウォン。
『答えろ、スウォン。なぜ、父上を殺した。
お前の目的を叶えるには、本当にこの方法しかなかったのか？』
「えぇ」
ｯｯ。ああ、嫌だ。この匂いも殺気立つ空気も、全てが嫌いだ。
『もう、こんな絶望を味わうことはないと...思っていた。
いや、自惚れていた...か。
もういい、スウォン。残念だよ』
「....私も残念です、A、ハク」
『ハク、ヨナを抱えて。逃げるよ』
「御意」
私の周りにいるのは、人間だ。鬼じゃない。
弱い、人間だ。
水の呼吸 弐ノ型・改 横水車
ズザァァン！
「グアッ！」
『走って！』
分かっていたのに、スウォンが何かを企んでいると。
鈍った、平和ボケしてた！スウォンを、信じてた！！！
ああ、くそっ。最悪だ。こんなの、父上っっ！！
『ｯ』ポロ
泣くな、前を向かなくては
「将軍！A様！こちらです」
ミンス！
『ミンス。父、上が...』
「はい、さっきの会話。聞きました。
A様、泣いていいのです。父が無くなり泣いてはダメなどと、誰も言わない。きっとこの先、貴方は強くなるでしょう。
ですが、泣いてください。泣き喚いてください」
『ｯうん』
「.......見つかるのも、時間の問題だな」
そうだ、スウォンはきっと計画してた。
だから、この城内に私達の味方はいないだろう。
『スウォンっ』
憎らしい、あんなに幸せだったのに。
「私が逃げ道を確保します。
3人はこの城から脱出して下さい」
『ダメよ、ミンス』
「緋龍城は、スウォン様が率いて来た兵とスウォン様を支持する兵が集まりつつあります」
「捕まれば間違いなく殺される...か」
どうする、逃げたあとも...
「どこへ.....行くの...？」
『ヨ、ナ』
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作者名：深琴 | 作成日時：2022年2月4日 9時
