雪だるま【青】

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石鹸の補充も、水質検査も、……ついでにマグカップの洗い物も



すべてを終える頃にはやっぱりもう外は暗くて




「先生、さようなら」


「気をつけてなぁ」




保健室を出るとやっぱり寂しく感じた



スマホを出して、通知を見てみると

望からのLINEが届いている





望【明日どっか行かへん？久しぶりにAといたい
わ】





久しぶりのデートのお誘い


私が断るわけがない






A【いいよ】


望【じゃあ放課後な！！楽しみや！！！】


A【うん！私も楽しみ】





返信が早いのも嬉しくて、笑がこぼれる





甘い、甘い

ただの青春物語




このやりとりだけなら、私は愛されているのに









それを打ち砕くのは、やっぱり今日も聞こえてくる声






・








・








「LINE送ったの？」


「内緒……ほら、続き」


「……ん、ちょ、激しいから……」






親友の声と彼氏の吐息は、気持ち悪くて吐き気がしそうだ



でも足音がばれるといけないから走れなくて、ゆっくりと耳を塞いでその場を離れる



ガタガタと彼らの与える振動によって揺れる机の音が生々しくて、吐き気が止まらない







・





LINEをしたのは、の関係を誤魔化すため？


なんで私を繋ぎとめるの？


好きなら戻ってきてよ、私を抱いてよ






そんな、言葉に出せない思いが広がっていく





校門を出る頃には、とまらない雫が


ぽたぽたと私の足元を濡らした






・






私の何が、望にはいけなかったのかな……

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