▽１３ ページ13
「A、そろそろ時間よ」
「え、」
小瀧くんとミウナは担任の濱田先生と写真を撮るために
大毅は所属していたサッカー部の集まりがあるためにそちらの方に行ってしまっていた
1人で友達と写真を撮るために歩いていた私に話しかけてきたのは、今までどこで見ていたのかもわからないお母さんだった
「新幹線間に合わなくなるから、余裕もってもう行きましょ」
「……うん」
きっちりもののお母さんは、いつだって早めの時間に行動する
それは今日も例外ではなくて
でも乗り遅れたら大変だから、その言うことを聞くしかない
最後にお別れの言葉をちゃんとみんなに、大毅に言いたかったけど
もうタクシーが来ているようで、私はそんなことも出来ずに前を歩くお母さんの後ろを付いて行く
学校から少し離れた所に止められたタクシーにお母さんと乗り込むと、すぐにそれは発車されて
慣れ親しんだ町並みがどんどん変わっていった
「ごめんね、お友達や大毅くんともっといたかったのに」
「……ううん、私が決めたことだから」
考えたら、きっと私は「ばいばい」と言う時に泣いてしまう気がして
最後は笑って終わりたかったからこれでいいのかもしれないと、必死に自分を説得させた
もう遠く離れてしまった学校の方を見て、涙をこらえて
「ありがとう」
「ばいばい」
とそっと心の中で思う
・
「じゃあ、気をつけてね」
「うん、ありがとうお母さん」
タクシーを降りる時に、このあと仕事あるお母さんはもう帰らなくてはいけなくて
握られた手に力を込められる
何度も「気をつけて」と泣きそうになりながらも私にそう言うと
最後は笑って手を振ってくれた
「……お母さん、ありがとう」
まだこれからたくさんきっとお世話になるんだろうけど
それでも今日という節目にちゃんと言っておかなきゃと思って
呟いたそれをすぐにメッセージでお母さんの携帯に飛ばした
18年間育ててくれて、ありがとうございました
って
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 349人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆか - ドキドキして読むのが楽しみでしょうがない感じでした。頑張ってください。 (2019年2月11日 12時) (
レス) id: 914870328c (このIDを非表示/違反報告)
Luna.(プロフ) - 最初の方は｢可愛らしいカップル、憧れやなぁ｣ってほっこりして、でもだんだん淋しくなってきて。ラストは大号泣でした、、、！こんな素敵な作品に出会えて良かったです！！！Twitterフォロー失礼しますね！ (2017年4月9日 2時) (レス) id: 47b3f54f43 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - αレムりんαさん» コメントありがとうございます！返信遅れてしまって申し訳ありません。とても嬉しいです。こんな私の作品を読んでくださってありがとうございました！これからもよろしくお願いします^^* (2017年3月26日 6時) (レス) id: 7e68a8b094 (このIDを非表示/違反報告)
αレムりんα - 最後辺り、すごく感動しました！泣きそうになっちゃって！！この作品を作ってくれて、ありがとうございました！ (2017年3月14日 18時) (レス) id: 70a3631a86 (このIDを非表示/違反報告)
かみこ(プロフ) - 気持ちが伝わってきて、最後のあたりからずっと泣いてしまいました。とても素敵な作品をありがとうございました！ (2017年3月8日 1時) (レス) id: 60518509e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆーり
| 作成日時：2017年3月4日 14時
