▽２ ページ2
「じゃあね、A」
「うん、ばいばい」
放課後になって、ミウナが小瀧くんと仲良く教室を出ていくのを手を振って見守った
幸せそうな彼女の横顔は、親友である私の心をほっこりとさせてくれて
隣で彼女に笑いかける彼に、「幸せにしてあげてね」なんて小さく声をかけた
今日は残り少ない登校の、しかもちゃっかり掃除担当は掃除のある日で
私は運悪くその掃除担当だったために何人かと居残って黒板を消す
３年間お世話になったこの黒板だけど、別に愛着があるわけでもなく
でもなんだか名残惜しい気持ちがして、いつもよりちゃんと綺麗にしてみた
「橋本じゃあーなー！」
「俺ら帰るわ！」
「Aちゃんばいばいっ！」
「うん！お疲れ様！ばいばい！」
残っていた田中くん、斎藤くん、ミナちゃんが教室を出ていくと
ぽつん、と1人残る教室
冷えた空気と、まだ明るい照明だけのこの教室は誰もいないと変な気分になって
「……あー！」
と声をあげてみる
誰もいないから、誰も反応しなくて
なんだか面白い
何も言われないから好きなように歌ってみたり、せっかく綺麗にした黒板に落書きしてみたり、窓の外を眺めてみたり
「……降るのかな」
とさっきみたいに独り言を呟いてみる
すると、ふっと暗くなる視界
「だーれだ」
犯人なんてすぐにわかって私は鼻で笑ってみる
「ふっ、大毅でしょ」
「うわー、つまんなお前笑」
手が離されて後ろを振り向けば
私とお揃いのマフラーをした彼がそこにはいた
「もっといい反応してやー笑」とちょっと悔しそうに私の髪をくしゃくしゃとする
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 349人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆか - ドキドキして読むのが楽しみでしょうがない感じでした。頑張ってください。 (2019年2月11日 12時) (
レス) id: 914870328c (このIDを非表示/違反報告)
Luna.(プロフ) - 最初の方は｢可愛らしいカップル、憧れやなぁ｣ってほっこりして、でもだんだん淋しくなってきて。ラストは大号泣でした、、、！こんな素敵な作品に出会えて良かったです！！！Twitterフォロー失礼しますね！ (2017年4月9日 2時) (レス) id: 47b3f54f43 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - αレムりんαさん» コメントありがとうございます！返信遅れてしまって申し訳ありません。とても嬉しいです。こんな私の作品を読んでくださってありがとうございました！これからもよろしくお願いします^^* (2017年3月26日 6時) (レス) id: 7e68a8b094 (このIDを非表示/違反報告)
αレムりんα - 最後辺り、すごく感動しました！泣きそうになっちゃって！！この作品を作ってくれて、ありがとうございました！ (2017年3月14日 18時) (レス) id: 70a3631a86 (このIDを非表示/違反報告)
かみこ(プロフ) - 気持ちが伝わってきて、最後のあたりからずっと泣いてしまいました。とても素敵な作品をありがとうございました！ (2017年3月8日 1時) (レス) id: 60518509e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆーり
| 作成日時：2017年3月4日 14時
