百六十話 ページ10
赤砂のサソリ
彼と初めて会ったのは、
「小娘、お前あのイタチの連れらしいな」
初めて暁のアジトに来たときだった
「.......貴方は」
「赤砂のサソリと言えば分かるか?」
イタチ兄さんの協力者として信頼に足るかどうかリーダーに見極められた日
その見極めの結果待ちをしていたとき、赤髪の青年の容姿をした男、砂隠れの抜け忍サソリに話しかけられた
後々知ったが、普段はヒルコの姿で活動しているらしい
偶々居合わせた日にメンテナンスをしていたとか何とか
「貴方が?あの赤砂のサソリ?」
私はそう言って、瞬きを何度も繰り返す
確か記憶によればこの人が里抜けしたのは20年前のはず
今目の前にいる彼はパッと見10代半ばと言ったところだろうか
可笑しい
普通に考えれば彼は35歳、綱手様のような忍術を使っているような痕跡は無い
ならば、どうやって
「お前は芸術とはなんだと思う」
「げ、芸術ですか?」
私の思考を遮るように、彼は突拍子的な質問を投げかけてきた
「......その人の愛、なんじゃないでしょうか」
「愛だと?」
「作品の題材が何であれ、作者は人生という長い時間を掛けて最高傑作を作り上げていくのですから。作品には様々な形の愛が込められているのかな、なんて」
芸術について考えたことないから分からない私は、素直な意見をそのまま述べた
「小娘にしては中々分かってるじゃねぇか。芸術は長く後々まで残っていくもの、永遠の美こそ芸術だ」
「はあ」
何やら語り出す彼に私は腑抜けた声を漏らす
永遠の美こそ芸術か
その思想故、彼は自分までもを傀儡へと変えたのだろう
死しても尚、その傀儡はそこに彼は存在しないけれど、サソリだったものとして残り続ける
正しく彼の説く芸術
「......サソリさん、どうか貴方の美が永遠であらんことを」
そう、彼は自分の死を持って永遠に続く美となったのだ
サソリさんの意志を引き継ぐ
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狗犬(プロフ) - シルビア★姉貴さん» コメント有難うございます!申し訳ないのですが、スラムダンクは詳しくなくて、合作のお誘いは嬉しいのですがすみませんm(_ _)m (4月30日 19時) (レス) id: c4cd770524 (このIDを非表示/違反報告)
もも - ふわちょこ@キメラリさん» 見た〜〜〜!! (4月29日 18時) (レス) id: 090ee67cb9 (このIDを非表示/違反報告)
ふわちょこ@キメラリ - ももさん» あと他の人の小説でこういうことするのも良くないけど、ももちゃん!水未ちゃんの小説見てくれ (4月29日 18時) (レス) id: 7020b21f02 (このIDを非表示/違反報告)
もも - ふわちょこさん» うぇ?! (4月29日 18時) (レス) id: 090ee67cb9 (このIDを非表示/違反報告)
ふわちょこ - ふわちょこさん» 誰ですかあなた。なりすまさないでください? (4月29日 18時) (レス) id: 7020b21f02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狗犬 | 作成日時:2024年1月2日 1時