百五十八話 ページ8
アジトに戻り、身支度を済ませていたときだった
視界の隅で兄さんがふらついている姿が入り
「兄さん!目が!」
私は慌てて駆け寄った
大変、目から血が...
「大丈夫だ、少し疲れただけさ」
「で、でも...」
「そう泣きそうな顔をするな、ツバサ。大丈夫、大丈夫だから」
今にも泣きそうになる私を何とか落ち着かせようと、微笑み宥める兄さん
まただ、また兄さんに無理をさせてしまった
私がもっと前に出てれば、兄さんの負荷を減らせたかもしれない
私がもっと、もっと強ければ
そうだ
そうだわ
「イタチ兄さん」
「私の眼をあげる」
私の目を移植すれば良いのでは無いか、そう提案すると一瞬ギョッとする兄さん
「...ツバサ、気持ちは嬉しいがお前の眼は受け取れない。でも、有難う」
だけど、またいつも通りすぐに優しく微笑み、やんわりと断られてしまう
やっぱりダメか
じゃあ、あの手を使うしかないかな
「そう...じゃあ私が兄さんの眼になるわ」
「俺の眼に?どういう意味だ?」
「私の写輪眼、八咫烏の能力は知ってるでしょ?視界範囲を広げるだけじゃなく、最近他の動物や人も一時的に操れることが分かったの」
それを応用すれば...
「これは...」
「どう?少しは見えやすくなった?」
私と同じ景色を兄さんにも見せれば良い
簡単に言えば視界共有だ
私が傍にいるときにしか出来ないけどね
「だが、これじゃあお前にも負担が...」
「大丈夫よ、無理はしないようにするから。お願い、せめて、このくらいはさせて欲しいの」
「...そうか」
私が微笑む様子を見て、これ以上何を言っても無駄だと判断した兄さんは静かに目を閉じた
ごめんなさい、イタチ兄さん
兄さんは優しいから、こういうの嫌がるって分かってた
拒否出来ないって分かってた
でも、私は兄さんの役に立ちたいの
どうかこんな狡い妹を許してください
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狗犬(プロフ) - シルビア★姉貴さん» コメント有難うございます!申し訳ないのですが、スラムダンクは詳しくなくて、合作のお誘いは嬉しいのですがすみませんm(_ _)m (4月30日 19時) (レス) id: c4cd770524 (このIDを非表示/違反報告)
もも - ふわちょこ@キメラリさん» 見た〜〜〜!! (4月29日 18時) (レス) id: 090ee67cb9 (このIDを非表示/違反報告)
ふわちょこ@キメラリ - ももさん» あと他の人の小説でこういうことするのも良くないけど、ももちゃん!水未ちゃんの小説見てくれ (4月29日 18時) (レス) id: 7020b21f02 (このIDを非表示/違反報告)
もも - ふわちょこさん» うぇ?! (4月29日 18時) (レス) id: 090ee67cb9 (このIDを非表示/違反報告)
ふわちょこ - ふわちょこさん» 誰ですかあなた。なりすまさないでください? (4月29日 18時) (レス) id: 7020b21f02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狗犬 | 作成日時:2024年1月2日 1時