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短めの冬休みが明け、またいつもと同じような生活に戻った。
冬休みもみんな忙しくてあんまりバンド練習に集まれへんかった。
3月には引退ライブがある。
バンドの最後を素晴らしいものにしたい。
後輩にいい景色を見せてあげたい。
そういう思いを持って今までも数々の先輩が輝いてきたライブだ。
だからこそ引退ライブまでの準備はとても大切。
ライブを最高のものにするために私たちも準備しているところやった。
佐野「今日から引退ライブに向けてめっちゃ練習しないとや〜」
A「ここサボったらまじで恥ずかしい思いするで」
正門「後輩たちに何か残せたらええな」
私たちは気持ちが高ぶりつつも不安やプレッシャーから自信を失くしているかもしれない。
佐野「でもやっぱ楽しむことが1番っすよね！次で演奏最後なんやなって思ったら…あっ」
階段を降りていた時、佐野くんがつまづいてこけそうになった。
正門くんと私はもちろん佐野くんを支えようとするものの、佐野くんにはもう届かなかった。
佐野くんは強く地面に叩きつけられた様子だ。
そして、左手を下敷きにしている。
A「佐野くん！」
正門「大丈夫！？」
佐野くんは立ちあがろうとしても、腕に力が入らんくて立ち上がれない。
佐野「痛っ」
A「どこが痛い？」
佐野「左腕」
正門「どんな痛み？」
佐野「分からんけど…捻挫とかな感じっす」
A「嘘やん」
佐野くんの怪我の心配もしてるけど、それ以上にバンドへの支障が心配やった。
佐野くんの担当はドラム。
両手を使うからもしほんまに大きな怪我をしてるんやったら演奏は出来ない。
捻挫なら遅くとも2週間で治る。
でもライブまでほんまに時間がない。
他にもたくさんやることがあって、バンドだけに専念出来ひんし、部活の時間以外に練習が出来ない。
練習時間は限られてる。
たった一回逃すだけでもピンチなのに。
佐野くんはすぐに病院で診てもらって、捻挫だと言うことが分かった。
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作者名：あいりる | 作成日時：2022年6月18日 7時
