君と一緒に (ページ19)

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演奏が始まり盛り上がってきた頃、私があるフレーズでつまづいてしまった。

A「あ、ごめんなさい。どういうリズムやこれ」

彩音「どれ？」

男子「大丈夫そう？」

彩音と2人で悩んでたら後ろから男子が近づいてきた。

ふと福本くんの方を見るとやっぱり離れろと指示しているように見えた。

離れた瞬間、男子と目が合ってしまって睨まれた。

A「態度悪い奴」

演奏が終わって裏で愚痴を言っていた。

福本「しゃーない」

A「なんでさ、私みんなに好かれてんのに私だけ幸せになれへんの？」

福本「え？何が？」

A「私の好きな人はなんで私に振り向いてくれへんの？」

福本くんに心を開いているからだろうか。

こんなに自分を曝け出したことは無かった。

福本「俺、こういう時なんて声かけていいか分からんけど、Aちゃんが辛いのは確かやもんな」

A「福本くんに私の何が分かんの？テキトーなこと言わんといてよ」

福本「別にテキトーとかじゃないって！俺やってAちゃんを…」

A「誰も何にも分かってくれへん」

福本くんが何か言いたげやったけどそんなの関係無くて、今は逃げ出したかった。

誰の視線も感じたくない。

会が終わった頃に急いで体育館を抜け出した。

ギターはきっと私の味方になってくれるだろう。

そう思ってギターと一緒に全速力で走り抜けた。