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全てのバンドの演奏が終わり、また体育館が静まる。
司会「代表者は前の席の方から順に3人ずつ舞台へお願いします」
順番が回ってきて私たちの番になる。
Aぇ! groupから福本くん、彩音、私の3人が舞台に向かう。
相手は全員男子。
そしてギターは私たち2人と相手校の男子。
福本「Aちゃん気いつけや」
A「うん、ありがと」
彩音「何のこと？」
A「男子、ばっかやから」
彩音「…そうやね」
彩音ちゃんなんか落ち込んでへん？と彩音の気持ちを知らない福本くんが言う。
彩音にはごめんすらも言えへんかった。
私が悪いのに、すぐ謝れるような素直な心の持ち主ではない。
どこかでやっぱり葛藤している。
それがなんなのかは気づけへんまま。
男子「Aちゃんよろしく」
A「あ…よろしくお願いします」
裏で声をかけられまた福本くんの方を見る。
私は全部誰かに頼っている気がする。
いざ1人になったら何もできないんかな。
いや、その前に私には1人になれる時がないのかもしれない。
必然的に誰かが必ず付いているような。
初めて私が1人になりたい、と思った瞬間やった。
さっきまでは少し緊張していたのも、いざ舞台に立つとみんなが温かく迎えてくれた。
男子「Aちゃん可愛いー！」
男子「軽音のアイドルー！」
私に集まる視線と福本くんを両極端に置いて、ずっと彷徨い続けている。
福本くんは彩音のものになるはず。
神様も分かってる。
きっとそういう運命やから。
だからと言って福本くんを手放したりはできなさそうだ。
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作者名：あいりる | 作成日時：2022年6月18日 7時
