君と一緒に (ページ16)

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合同ライブ当日。

合同ライブは私たちが相手の高校に実際に行って演奏する。

福本「緊張すんなあ」

A「福本くんは大丈夫やと思うで？」

福本「それどういう意味？」

A「あんま緊張しないタイプやろ」

福本「そうかなあ」

福本くんはどこか上の空な感じだった。

その異変にいち早く気付いたのは小島くんだった。

小島「大晴どうした？」

福本「え？いや別に」

小島「あーそっか。ま、ベース頑張れ」

小島くんは何かを感じ取った様子で福本くんから離れていった。

相手校の体育館に着き、セッティングを始める。

だんだん騒がしくなる体育館。

すると1人の男子が近づいてきた。

男子「もしかしてAちゃんやんな？」

男子の方を向くとその後ろからも沢山の視線が私の方を向いていた。

私、注目されてるんや。

福本くんに言われたばっかやんと思って後ろを振り向くと、案の定福本くんがいて男子たちを睨みつけるように見ていた。

A「まあそうやけど、今ちょっと忙しいから！」

男子「また後で」

A「また後でも何にもないやろ」

去り際に小声で愚痴を吐く。

福本くんだけに聞こえているようだった。

福本「あんまそういうん言ったらあかんで」

A「ごめん、直らんねんほんまに」

いつも性格のせいにしてるけど私、ほんまは逃げてるだけなんかも。

こんなとこで気付いてももうどうしようも無いねんけどな。