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震える手を叱咤して漸く鍵を開ける。
扉が開くが速いか駆け込み、閉めようとした時にガンッ、と何かに阻まれた。
扉に掛けられた、手が見える。
ひゅっ、と喉が鳴った。
「こんばんわ」
聞き覚えのない声。
怖くて視線が上げられない。
ノブを掴んでいた扉に力が加わったのを感じて、咄嗟にドアチェーンをかけた。
「…すごいね、案外冷静やねぇ朔ちゃん」
「……手、…どけて、ください…」
「ここで騒いで、ご近所さんに迷惑になるの嫌やろ？これ外してくれへん？」
静かな声が、逆に不気味で。
ドアノブを握る手に力を込めると、扉をひっぱられガチャンッとドアチェーンが音をたてる。
「ねぇ、これ外してぇや」
何度も扉を引っ張られ、そのたびにガチャッ、ガチャッとドアチェーンが音を立てる。
今にも中へと押し入ってきそうな勢いに、必死にドアノブを握りしめていると、不意に動きが止まる。
「…ほんまは迎え入れてほしかったんやけど、しゃあないな」
ぬっ、と隙間から両手が入り込んできて、思わずへたりこむように尻餅をつく。
呆然としているとドアチェーンをガチャガチャと弄りだすのが目に入った。
手だけが別の生き物のように動く。
何をしているのかわからないそれを、ただただ見つめていると扉が閉まった。
次の瞬間、
ガチャン
という音と共にチェーンが外れ落ちた。
スローモーションのようにゆっくりと扉が開く。
怖いはずなのに声も出せず、動くことも出来なくて。
わたしに影を落とす男が伸ばしてくる手を、見つめることしかできない。
「───朔……っ！！！」
騒がしい複数の足音と揉めるような声。
名前を呼ばれて、姿を確認する前に守るように強く抱きしめられる。
良く知る体温と香りに包まれて、今まで呼吸を止めていた事に漸く気づいた。
急に酸素を取り込んだ体がびっくりして大きく咽ると、優しく背中を撫でられる。
「大ちゃん！朔は？！」
「…怪我とかは無さそうやけど…、はっすんは？怪我ない？」
「俺は大丈夫やで。今、丈くんとマネージャーさんが警察に説明してくれてるわ。
……朔、大丈夫？」
心配そうにかけられた声が、なんだか遠い。
来てくれてありがとうって伝えたいのに、息が苦しくて浅い呼吸を繰り返す。
頭が、痛い…
「「…っ朔！？」」
耳鳴りのような音が聞こえたのを最後に、わたしの意識は途切れた───
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斗和(プロフ) - ミユさん» コメントありがとうございます。ぎゅっと纏めてしまったので不自然さもあったと思いますが面白いと言ってもらえて嬉しいです！別作品は、機会があったらチャレンジしてみたいです (2022年7月27日 22時) (
レス) id: 5566dd5809 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 今回のメンズ校の話を別で見たいな思ってしまうほど面白かったです！！！もし良ければ別作品として、この設定のまま見たいなって…ｵﾄﾞｵﾄﾞ (2022年7月24日 18時) (レス) @page30 id: 98f899b5ac (このIDを非表示/違反報告)
斗和(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます。みっちー推しなんですね。私は彼のデュフフ笑いがツボです(笑)美紀さんも体調お気をつけてお過ごしください。 (2022年7月10日 7時) (レス) id: 5566dd5809 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - なにわ男子は道枝駿佑君推しですコロナと最近気温差がすごいので体調などにも気をつけてくださいね (2022年7月8日 11時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斗和 | 作成日時：2022年6月26日 15時
