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校内を走り抜け階段を駆け上がり、屋上に宮野を追い詰める。
行き止まりに来てしまった宮野は振り返り、眉間に皺を寄せて野上と対峙する。
野上「…何故、逃げるんだ」
宮野「そっちが、すごい形相で追いかけてきたからだろ」
確かに、あの野上の様相で追いかけられれば、逃げたくなる気持ちはわかる。
転校初日に追われる理由なんて、普通はないもんな。
花井「のがみん、なんで宮野を追いかけてきたの？」
神木「転校生なんて珍しいし、あの感じだし気にはなるけど、な？」
つい野上と一緒に宮野を追いかけてきてしまったけど、結局誰も理由がわかっていなくて、当事者である人物へと視線を投げる。
じりじりと宮野との距離を縮めていた野上が、匂いを嗅ぐように鼻を鳴らした。
野上「宮野が教室に来た時、微かに女子が吐き出した二酸化炭素の香りがした。それを確かめたい」
宮野「……は…？」
小さく宮野の肩が跳ねた。
あからさまに不審そうに顔を歪めて、一瞬できた宮野の隙に野上が距離を詰めた。
宮野の近距離で、野上は鼻からいっぱいに空気を吸い込む。
野上「解毒…される…！……俺の中で飽和状態だった男の二酸化炭素の濃度が薄まっていく…！
どういうことだ？監獄のような環境で抑圧されすぎた感覚が麻痺し、宮野の存在で脳がバグを起こしているのか？」
空気を吸い込んだ勢いのまま、しばらく天を仰いでいた野上はガバっと体勢を戻すと今度は眉間に皺を寄せ、難しい顔をしながら早口に呟く。
また、じりじりと宮野との距離を縮めて。
野上「お前、女子か？」
突拍子もない事を言い出した野上に一同がぎょっとする。
いくら可愛い顔をしているからといって、ここは男子校だ。
女子が転校してくるはずなんてない。
困惑気味だった宮野は不愉快そうに表情を歪めるとドン、と野上の肩を押し素早く横をすり抜けた。
宮野「…悪いけど、あんたの妄言に付き合ってるほど暇じゃないから」
すれ違いざま、吐き捨てるようにして屋上を後にする宮野を、さすがに誰も追いかけなかった。
女子か？と聞かれただけにしては隠しもしない嫌悪感が強い。
なにか、宮野には事情がありそうだと思ったけど、わざわざ面倒事に首を突っ込みたくはなかった。
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斗和(プロフ) - ミユさん» コメントありがとうございます。ぎゅっと纏めてしまったので不自然さもあったと思いますが面白いと言ってもらえて嬉しいです！別作品は、機会があったらチャレンジしてみたいです (2022年7月27日 22時) (
レス) id: 5566dd5809 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 今回のメンズ校の話を別で見たいな思ってしまうほど面白かったです！！！もし良ければ別作品として、この設定のまま見たいなって…ｵﾄﾞｵﾄﾞ (2022年7月24日 18時) (レス) @page30 id: 98f899b5ac (このIDを非表示/違反報告)
斗和(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます。みっちー推しなんですね。私は彼のデュフフ笑いがツボです(笑)美紀さんも体調お気をつけてお過ごしください。 (2022年7月10日 7時) (レス) id: 5566dd5809 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - なにわ男子は道枝駿佑君推しですコロナと最近気温差がすごいので体調などにも気をつけてくださいね (2022年7月8日 11時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斗和 | 作成日時：2022年6月26日 15時
