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その日、部室は異様な空気に包まれていた。
「みんなへ、重要な発表がある」
どどん、というBGMをバックに、眉間に皺を寄せた丈くんが腕を組んだ。
「ドラムやからってセルフBGMやめてや」
「音軽すぎてアホ丸出しやで」
「そこの２年！ 口を慎め！」
びし！！ 芝居がかった口調で流星くんと恭平を指差す。
「ええか、これは俺らバンド部の存続に関わるかもしれない重要な議題や」
「かもしれない、なんや」
「６人の同好会でもなんとかやれてたんやし、そうそう廃部にはならんやろ」
確かに。せやろ？とまた流星くんと恭平がじゃれる。
「話全然進まんやんけ」
大吾くんは呆れ顔でアンプを準備してる。
大橋くんは聞いてるのか聞いてないのか、楽譜を見ながら妙に上手い鼻歌歌ってる。
俺と長尾は新入部員やから、きっちり座ってる。
丈くんに向かって恐る恐る手を挙げた。
「それで、重要な議題ってなんですか？」
「お前らは本当にええ子やな……」
がっくり脱力した丈くんが、やっと話し始めた。
「我がバンド部が正式に部活に昇格したことは皆知っていると思う。そこで、俺と大吾で生徒会に予算の申請をした」
「おぉ」
「がっぽり取ってきたんでしょうね」
「俺らも手八丁口八丁、ええ感じに丸め込んでがっぽりいただいてくるつもりやった。しかし！！！」
「うっさ」
流星くんがあからさまに顔を顰める。
「部活としてなんらかの実績がないと、どうしても予算は振り分けられない規則やっていうんよ……」
「実績？」
「全国高校ロックフェスでの優勝とか？」
「軽音コンテストでの入賞とか？」
「それ全部うちの軽音部の実績な……」
「優勝とかしとるんや！ すごー！」
「謙杜、お前はどっちの味方なん……！」
丈くんがわざとらしく泣き真似をする。
ごほん、咳払いを１つ。やからな、と大吾くんが引き継いで話す。
「今度の商店街のお祭りで、金賞とるんを目標にせえへん？」
「急にしょぼくなった……」
思わず呟いた一言に、「みっちーの素直なところ、大好きやけど傷つく……」と丈くんがさめざめと泣いた。
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加賀美もち(プロフ) - Hano.さん» ありがとうございます☺️これからも見ていただけると嬉しいです！ (2022年1月27日 19時) (
レス) id: 451045e34b (このIDを非表示/違反報告)
Hano.(プロフ) - 道枝くんとバンドでアオハル、、、！最高です！これからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2022年1月27日 7時) (レス) @page5 id: 01437fdce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加賀美もち | 作成日時：2022年1月26日 20時
