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今回の件で一番傷ついている奴がここに一人居た。
「ハァ〜。」
小並ナユは、学園内の池のほとりで大きなため息をついていた。
「皆のことを避けるとなると、心が痛い…。」
自分で決めたことだから仕方ないと必死に言い聞かせてはいるが、自分の性格が裏目に出ている。
「これで、ホントに良かったんだよね?」
ポツリと呟くが、応えてくれる人はもちろんいない。
皆を避ける申し訳なさ。
嫌われるのではないかという不安。
そして、皆を危険に巻き込んでしまうのではないかという恐怖。
色々な感情が入り混じって、押し潰されそうになる。
顔を洗ってスッキリしようと池を覗き込むと、水面に波紋が点々と広がった。
「雨なんか降ってたっけ?」
疑問に思って空を見上げたが、確認する暇もなく、視界が滲んだ。
“自分は泣いている”
そう理解するのに、時間がかかった。
「なんで、涙なんか…。」
途端に、色々な感情がどっと溢れた。
「怖い。辛い。寂しい。誰かそばに居てほしい。」
「本当に、そう思うのかい?」
どこからか、声が聞こえた。
「誰?」
辺りを見回すが、そこには何の姿もない。
「私は怨霊。君の負の感情が具現化したものさ。」
“怨霊”
その言葉を聞いて身構えようとするが、力が入らない。
「(何だか意識が朦朧とする…)」
そのまま私は意識を失ってしまった。
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nayu(プロフ) - 白狐さん» コメントありがとうございます!了解です!順次、作成していきます(`・ω・´)ゞ (8月5日 7時) (レス) id: 754bc10f42 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - お話を読んで面白かったです、連日の猛暑が続いてますので熱中症などにお気をつけてください。それであの落ち着いたらでいいですので、富松作兵衛を中心とした三年ろ組の絡んだお話が読みたいです。 (8月4日 19時) (レス) @page10 id: 9822cc9766 (このIDを非表示/違反報告)
nayu(プロフ) - 夜桜ほたるさん» コメントありがとうございます🥰了解です!五年生編が終わり次第、六年生多めの話も作りたいと思います。 (7月31日 22時) (レス) id: b0b40a7cac (このIDを非表示/違反報告)
夜桜ほたる - すごく面白いです!!!更新楽しみにしてます〜!!・・・・できれば6年生のお話が見たいです!お願いします〜 (7月31日 20時) (レス) @page8 id: 1600cbbb8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nayu | 作成日時:2023年7月24日 17時