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「…ところで、A。」
三郎が急に口を開く。
「なに?」
「怨霊の話は全部聞いたぞ。」
“伊作先輩に聞かれたら困る”…と思って辺りを見回したが、先輩はいなかった。
どうやら気を利かして保健室から出て行ったらしい。
「俺達はお前を責めるつもりはない。ただ…」
鉢屋くんがうつむく。
「お願いだから…もっと頼ってくれよ…。」
まっすぐ私を見つめるその目は少し泣きそうだった。
彼のそんな顔を今まで見たことがなかったから、思わず言葉を驚いてしまった。
ずっと彼と一緒にいる不破くんですらも目を見開いている。
「…そうだよ、A。僕たちだって、忍たまの5年生だ。そんなに簡単に負けはしないよ。」
不破くんが鉢屋くんの肩に手を添えながら言った。
「相手が怨霊だろうが何だろうが、助けたいって気持ちは変わらないよ。」
「だって俺たち…“友達”だろ?」
久々知くん、尾浜くんも続いてそう言った。
その時、心の中で何かが解けるような感覚がした。
同時に何か温かいものが頬を伝う。
「みんな…ありがとう。」
私の言葉にみんなが笑顔になった。
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nayu(プロフ) - 白狐さん» コメントありがとうございます!了解です!順次、作成していきます(`・ω・´)ゞ (8月5日 7時) (レス) id: 754bc10f42 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - お話を読んで面白かったです、連日の猛暑が続いてますので熱中症などにお気をつけてください。それであの落ち着いたらでいいですので、富松作兵衛を中心とした三年ろ組の絡んだお話が読みたいです。 (8月4日 19時) (レス) @page10 id: 9822cc9766 (このIDを非表示/違反報告)
nayu(プロフ) - 夜桜ほたるさん» コメントありがとうございます🥰了解です!五年生編が終わり次第、六年生多めの話も作りたいと思います。 (7月31日 22時) (レス) id: b0b40a7cac (このIDを非表示/違反報告)
夜桜ほたる - すごく面白いです!!!更新楽しみにしてます〜!!・・・・できれば6年生のお話が見たいです!お願いします〜 (7月31日 20時) (レス) @page8 id: 1600cbbb8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nayu | 作成日時:2023年7月24日 17時