五年い組の美人さんは陰陽師でした!?〜二ノ段〜

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一方その頃…。

「ついに目を覚ましちゃったのね。」

私は心の中から、外の世界の様子を覗いていた。

「自分のニセモノが私のフリをして生活してるなんて、何か頭にくる…。」

私は怒ったように言った。

「まぁまぁ、負の感情もそんなに悪い子じゃないのよ。」

正の感情がなだめるように言った。

「悪い子じゃないのに、人の身体を乗っ取るの?」

「負の感情にも何か理由があったんじゃないかしら。そんなことより、ここってとても良い所でしょ?」

正の感情が話題を逸らした。

「それはそうね。居心地は良いし、皆に迷惑もかけないし。でも…」

「でも?」

「何かが足りない気がするの。」

私がそう言うと、正の感情が少しだけ悲しそうな顔をした。

「…そう。そのうち、“何か”の正体が分かるわよ…きっと。」

「だと、良いけどね。」

「その時が来るまでは、ここでの生活を楽しもう?」

正の感情には似合わない悲しそうな顔が、頭の中に染み付いて離れなかった。

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