拝啓、愛するママへ。 (ページ4)

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#3　コミュニケーションは大事ページ4

「えっと…ワノ国って？」
「む？違ェのかい？じゃああれか、学者とかかよい？」
「俺らは一般人だ。あ、でもワノ国ってのは多分、昔の日本のことだな」

駄目だ、この人結構電波な人だった。喋らなければイケメンってこういうことか。なんだよ学者って。なんだよ『よい』って。漢字かけただけで学者になんてなれねえよい！！

「あー……すまねェ、ここは何処だよい？」
「日本。ジャパンだぜ、ジャパン」
「…ニホン？ジャパン？知らねェ名前だよい…。ここは偉大なる航路(グランドライン)かよい？」
「グランドライン？何処だそれ。聞いたことないなァ」
「……マルコさん。マルコさんって何やってる人なんですか？」
「海賊だよい。白ひげ海賊団1番隊隊長、不死鳥マルコとは俺のことだよい」

電波か厨二か、はたまた妄想癖を拗らせまくったのか。何にせよこれは酷い。まず会話ができない。なんだよグランドラインって。

「………もしかして俺らのこと、知らねェのかよい？」
「全く存じあげておりません」
「なるほど。…じゃあここがオヤジが言ってた『異世界』ってやつだな」

ついには完全に考えることを放棄して異世界の一言で片付けようとしてる…なんなんだこの人…。さっきまでは素敵な人だと思ってたけど、いや確かに素敵な人だけど頭が…髪型含めて頭が非常に残念なお方だ………。いやでもそんなとこも素敵…。

「取り敢えずばーさんとじーさんに相談すっか」
「よい？」
「あんたは行く宛も頼れる人もいねェ。そんな状態でほっとけるわけないだろ。タダでとは言わねェが泊めてやれるはずだ」
「…かたじけねェよい、感謝する」

なんか物凄く良い話になってるけどまーくんはパジャマ代わりのスウェットのまんまだし、マルコさんはずぶ濡れでバスタオル身体に巻いてて捨て犬みたいだし、全然決まってないけど本人達の間には謎の絆が生まれたみたい。遅い青春を楽しむおっさん二人……うーん、微妙。

「ねえ、まーくんにマルコさん」
「なんだ？」
「よい？」

よい？ってなんだよ。最早よいで全てを片付けるつもりですか？グランドラインとやらではそれが流行りなの？なんなの？

「取り敢えずマルコさんをお風呂に通したほうが良いと思うんだけど」
「……それもそうだな。マルコさん、風呂はこっちな。ついて来てくれ」
「よい」

また出たよい。なんだよ本当に。ちゃんと人間語喋ってほしいと思うのはあたしだけ？