なにわの調２ (ページ26)

今日:5 hit、昨日:7 hit、合計:50,270 hit

. ページ26

『兄らしいこと…みっちーにしてあげられてない』

誰かの声が聞こえる…。

この声…大西くん…？

一緒に大吾くんの声も聞こえる…

僕が言わんかったせいで大西くんに責任感じさせてしもた。

何で…何で僕はこうなんやろ。

皆のこと大事にしたいのに、自分のいいように振舞って結果皆にこうやって迷惑かけて。

最低や。

『俺なんかみっちーに膝枕と頭なでなでとハグしかしてないで？変態兄貴やろ(笑)』

そんなことない。

大吾くんの膝枕もハグも撫でてくれるんも、いっつも僕の心をポカポカにする。

僕がちゃんと思ってること言わへんから、皆…わからんのや。

ほんまにみんな優しいから、嘘をついてる自分が嫌になる。

気づいてるのに言わへんように僕がさせてしまってるんや。

やから…みんなは悪くない。

ごめんなさい、ごめんなさい。

まだ起きたての頭でそんなことを考えながら目を開けた。

大「ごめん、うるさかったな…」

道「いえ…大丈夫です、」

大「みっちー、学校で何かあったん？」

道「…疲れただけやと思います」

大「ならええんやけど…。

気分はどう？｣

道「もうだいぶよくなりました。

明日も学校行けそうやから、大丈夫です」

大「休んでもええんやで？」

道「授業、遅れたないから…」

大「そうやんなあ、俺もよく体調崩してたから友達にノート借りてたりしてむっちゃめんどかったわ〜」

道「大吾くんはどっか身体悪いんですか…？」

大「んーん！そういう訳やないけど小さい時は貧弱やってん。

むっちゃ丈くんに助けられてたなあ〜。

今もたまに調子悪い時は一気にダメになるけど」

道「…大吾くんは身体が弱いこと、嫌になったりしないですか」

大「嫌かあ…。うーん…本音言えば嫌やよ。

周りの人より劣ってるって思うし、身体弱いことで悪く言うやつも少なからずおるやんか」

道「うん…」

大「でも人間パーフェクトなやつって実はおらんねん。

どっかでそれぞれ劣ってるところあんねん。

そやから下ばっかに目向けるんやなくて、上見るようにしてる。

そうしたら、むっちゃ楽になる」

まあ、これ丈くんの受け売りやけどなあ〜！何て大吾くんは笑いながらそう言った。

僕も心のどっかで下向いてたんやろな…。

明日も学校はある。

ちゃんと切り替えなきゃ。