なにわの調２ (ページ16)

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朝、目が覚めると座ったまま謙杜を抱きしめて寝てしもてて体が少し痛んだ。

昨日、謙杜が泣いてた。

『ごめんなさい…わがまま言わへんから』って魘されとって、眠りが丁度浅かった僕はそっと謙杜の布団へ潜りこんだけど…。

頭が働いてへんくて、どうしたらええかわからんかった。

横にちんまりとそばにおるよって寝てあげることしかできひんくて。

謙杜が起きた後も、あれで安心できたかはわからんくて…でもただ、寄り添っていたかった。

大吾くんが言ってた、辛いことはないものには出来ひんけど寄り添うことはできるって。

独りじゃないこと、僕が謙杜に証明してやらなって思った。

謙杜はいつでも、僕の傍におってくれた。

だから僕も…謙杜の傍におるよって。

謙「んぅ……ぁれ…、みっちー！

ごめん！おれそのまんまねてもうた…！」

道「おはよ、謙杜。

大丈夫だよ、温かかった〜」

謙「お…おはよう、やのーて！

大丈夫？どっか痛くしてない？」

道「だいじょうぶだよ〜心配性！」

謙「ごめん…」

道「う〜もう！ごめんってなんやぁ〜！

僕は謙杜と一緒に寝れて嬉しかったの！」

謙「みっちー…」

道「必殺！デコピンの術！！」

人差し指に軽く力を入れて、ペシッと謙杜のおでこを弾く。

急なことに驚いて、謙杜の目がまん丸になってもうた。

謙「いだっ…！……ふふ、あははっ…！」

道「やっと笑った〜」

謙「ありがとう、みっちー！顔、洗ってご飯行こー！」

道「ふふ、うん！行く〜！」

謙杜が笑顔だと、嬉しくて楽しくて。

朝からルンルン気分で立ち上がる。

道「あ…」

謙「ん？どしたみっちー」

道「足痺れた(笑)」

謙「ほら異常でとるやん〜！」

道「ごめんて(笑)」