なにわの調２ (ページ14)

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謙「よっし、できた！」

部屋の共有スペースの床に二段ベットに敷いていた布団を一式降ろして敷く。

これでみっちーに何かあっても、すぐに対応できる。

和「謙杜〜？入るで」

コンコン、とドアのノック音と共に大橋くんが部屋に入ってきた。

謙「はーい、どないしたん…？」

大橋くんはみっちーの肩を抱き抱えるようにしてきた。

みっちー、具合悪なってしもたんやろか…。

和「お風呂上がりに喋ってたら眠くなってしもたみたいやから、お届けに参りました〜！」

謙「なーんや…よかったぁ…」

道「ごめんなさい…」

和「大丈夫やってみっちー、ほら横になり？」

こくん、と小さく頷いてみっちーが自分の布団へと入って行く。

和「おやすみ、みっちー、謙杜」

謙「おやすみなさーい！」

道「おやすみ…なさい、」

大橋くんが笑顔で手を振って部屋から出ていく。

謙「みっちー、電気消すなー？」

道「…ぅん」

謙「おやすみ〜」

目を重たそうに瞬きしていたから、相当眠いんやろう。

しばらくすると、みっちーの寝息が聞こえてきて俺もそれを聞いたら安心してもうて眠りに落ちた。

『っ、ぐす……、ぅ』

『泣くな！鬱陶しいわね！！丈、あんた黙らせなさい！』

『……。謙杜、こっちおいで。

大丈夫…寂しかったんよな？』

『うぅ、じょーくんっ…！』

『母さん、謙杜はまだ5歳や。

甘えたい盛りやんか』

『うっさいわね！！好きで産んだわけやないわ！』

鬱陶しい、好きで産んだわけやない。

その言葉にまだほんの小さなガキやった俺の心は深く抉られた。

悲しくて、涙が止まらんかった。

それでもずっと丈くんはそばにおって俺の背中を摩ってくれた。