なにわの調２ (ページ2)

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初登校ページ2

「道枝くーん入ってきてええよー」

教室の扉の向こう、担任の先生の声が僕の名前を呼んだ。

ガラリ、と少し重い扉を開けて教室の中に足を踏み入れる。

「はい、今日からこのクラスに転校してきた道枝駿佑くんです。

じゃあ軽く自己紹介」

道「はい…初めまして、道枝駿佑です。

よろしくお願いします…」

皆の視線が僕に集まっとる…。

「ほそ…アンタより細いで？」

「うっさいわね！でも確かに折れちゃいそう…」

ヒソヒソと話す声が、教卓の横に立つ僕の方にまで聞こえた。

「えー、道枝くんは家庭の事情で転校してきました。

皆、仲ようするように。

道枝くん、あそこの席空いてるから座り」

道「はい」

先生が指した、空いている席に移動する最中でも皆の視線を痛いほどに感じる。

こんな季節外れの、12月に転校してくるんはまぁないもんな…。

謙杜とは同学年やけど、クラスは別。

大西くんは一個上の学年やけど、三年生やから一緒に登校する機会はもうすぐなくなってまう。

朝、2人と一緒に学校に来て気が紛れてなかったらどうなってたことか。

転校する学校に家族がいて心強い…。

前の学校でクラスに馴染めなかったわけではなかったけど、固定でいつも一緒におる友達はいなかった。

僕、コミュニケーション下手やからな…。

うまくやっていけるやろうか…。