One＿Help me ページ5
「早く赤羽を呼べ」
「さっさと携帯出せ」
数人の男子が私を取り囲んで脅す。
この近辺の高校の制服だ。
彼らはカルマくんに恨みがあるらしい。
どうせ喧嘩に負けたんだろう。
携帯は学校には持っていっていない、そう主張したけれど、彼らは認めようとしなかった。
ならば自分の携帯から、と言われたので、カルマくんの携帯、或いは家の電話に通じる電話番号は記憶していないと答えた。
自分の携帯がないとダメだ、と。
私は余程嘘をつくのが下手くそなのか、それとも彼らの中に最近の中学生が携帯を持ち歩いていないはずがないという固定観念というものがあるのか。
「おら、あんじゃねぇかよ」
そして彼らは、スカートのポケットに忍ばせておいた携帯に気付いてしまった。
こんなことになるなら、これからは持ち歩くのをやめようか。
いや、でもそれはそれで不便だ。
「電話かけてここに来いって伝えろ」
とても、とても嫌だった。
ここにカルマくんが来れば、きっと彼らは私を使って脅して、それでカルマくんをいたぶるのだろう。
もしかしたらカルマくんは助けを求めても来てくれないかもしれない。
もしかしたら私が人質であろうと、私が傷つこうと、カルマくんは彼らを容赦なく殴るのかもしれない。
だけど何となく分かる。
カルマくんはきっとそんなことできない。
だから電話をかけたくなかった。
けれど彼らが勝手に電話をかけていた。
私の耳許に戻ってくる頃には、既に無機質なコール音が鳴っていた。
3コール程して、カルマくんは電話に出た。
どうして出てしまうのか。
こういうときに限って早く繋がる。
�爐發靴發掘�どうかした？��
『あ、いや…』
「どうしたんだよ、早く言え」
男たちが私を急かす。
カルマくんとは真逆でどこまでも対照的な彼ら。
カルマくんの優しくて透き通った瞳、どこか艶やかな唇、端正な顔立ち、細くて長い綺麗な指、私のそれよりも大きくてゴツゴツした掌、温かな体温。
カルマくんのかっこいいところをたくさん思い出してしまって、やっぱりここへ呼ぶことが躊躇された。
もしここに来て、もし男たちに殴られたら。
しかもそれは紛れもなく私のせい。
そんなの、耐えられない。
自分がどんな怪我を負わされるよりも痛くて苦しいと思う。
そう考えたら、もう迷いはなかった。
.
One＿Help me
(I don't want you to be made hurt.)
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さくら(プロフ) - え、徳島なんですか！私も徳島出身なんですよ！ (2018年7月15日 6時) (
レス) id: 32f861f453 (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - そらる大好き結衣。サンさん» ありがとうございます！題名気に入ってます。笑 (2018年5月25日 16時) (レス) id: 2b331bc7c5 (このIDを非表示/違反報告)
そらる大好き結衣。サン - 感動…！！！泣いちゃいました。笑 最高です！ (2018年5月25日 12時) (レス) id: 220185e22c (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - そらる大好き結衣。サンさん» 了解です、ご期待に添えるよう頑張ります。笑 いやいや、東京から見たって都会ですよ！笑 私も徳島けっこう好きです！ (2018年5月24日 16時) (レス) id: 2b331bc7c5 (このIDを非表示/違反報告)
そらる大好き結衣。サン - あーーー。本気で！あずみさんの作品大好きやから、どうなるんか楽しみにしてます！それと、兵庫って、中途半端じゃないですか？笑東京から見たら田舎で、それこそ徳島から見たら都会。俺田舎好きですよーー！近くに山とか川とか…めっちゃ憧れます！ (2018年5月24日 16時) (レス) id: 17db40430b (このIDを非表示/違反報告)
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