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そして今日も繰り返す ページ30

笑顔に。
優しさに。
ふとした表情に。
真っ直ぐな瞳に。
純粋さに。
真面目さに。
抱き締めたときの温かさに。
不意にキスしたときの照れ隠しに。
芯の強さに。
ぶれない性格に。

俺は、君のすべてに恋をする。


まさか、俺がこんなに誰かを好きになるなんて。

愛読する漫画や毎回見ているドラマの一端に、ふとした恋愛要素が含まれていたとき。
こんなにもくだらなくて、こんなにも馬鹿馬鹿しいと、そう嘲ていた自分が懐かしい。

岡島や前原の話を聞いてたって、女の何がそんなにいいんだか、って心のどこかで呆れ返っていたはずなのに。


Aに告白されたときには驚いたけれど、それよりも何か冷たい感情があって。
あんたも結局そうなのかよ、って。
優しいクラスメイトだと思ってたのに、その優しさの中の下心を垣間見たような気分になったんだったっけ。

なら、目を覚まさせてやろうか?
恋なんて、夢幻泡影の作り物だって。
そんな軽々しい気持ちで付き合うことを了承した俺は、軽蔑されるべきなのかもしれない。

だけど彼女は付き合ってから何かが変わった。
言葉では言えないけれど、決定的な何か。

最初はくだらない余興だと、そう思ってたのに。
真っ直ぐに向けられる彼女の気持ちに、俺もくだらないなんて言えなくなっていた。

そうか、これが好きってことか。

順番違いではあったけれど、今、俺は確かに彼女のことを好きだと胸を張れる。


肌を刺すような冷たい空気の中、俺は彼女の話に頷きながら学校への道のりを歩く。
長くて遠いと思っていた学校へのそれが、今では楽しみの一つにまで成り上がっているのだから、恋っていうのは本当に不思議だ。

Aが隣を歩いて学校へ行くのも、その間ずっと手を繋いでいるのも、Aの話も。
どれも俺のそれまでの日常を簡単に壊して、新しい日常を作り上げてしまったんだから、それこそなんて不思議なんだろう。

きっと今日だって、Aと学校へ行くことが当然になっていなければ、朝は寒さに負けて起きなかっただろうに。

だけど何故だろう、君がそうして俺の日常に堂々と居座ることが、こんなにも心地よくて堪らないんだ。









.









そして今日も繰り返す
(くだらなくて楽しい)
(とりとめのない一喜一憂を)

After it…→←その役目、俺にちょうだい



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さくら(プロフ) - え、徳島なんですか!私も徳島出身なんですよ! (2018年7月15日 6時) (レス) id: 32f861f453 (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - そらる大好き結衣。サンさん» ありがとうございます!題名気に入ってます。笑 (2018年5月25日 16時) (レス) id: 2b331bc7c5 (このIDを非表示/違反報告)
そらる大好き結衣。サン - 感動…!!!泣いちゃいました。笑 最高です! (2018年5月25日 12時) (レス) id: 220185e22c (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - そらる大好き結衣。サンさん» 了解です、ご期待に添えるよう頑張ります。笑 いやいや、東京から見たって都会ですよ!笑 私も徳島けっこう好きです! (2018年5月24日 16時) (レス) id: 2b331bc7c5 (このIDを非表示/違反報告)
そらる大好き結衣。サン - あーーー。本気で!あずみさんの作品大好きやから、どうなるんか楽しみにしてます!それと、兵庫って、中途半端じゃないですか?笑東京から見たら田舎で、それこそ徳島から見たら都会。俺田舎好きですよーー!近くに山とか川とか…めっちゃ憧れます! (2018年5月24日 16時) (レス) id: 17db40430b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:上弦の月 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年2月15日 18時

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