阿部ちゃん短編集

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部屋に向かうと、そこには亮平様もいらっしゃって…

『失礼します』
旦「来たみたいだね」
『あの…お話とは』
奥「あなたには亮平の専属をお願いしてたけど、外れてもらうことになったわ」

はじめ、奥様の言ってることが分からなかった。

『えっ、それはクビ…ですか？』

ここをクビになったら…

『それは…今回のお見合いが破談になったからですか？』
旦「まぁ、落ち着きなさい。亮平から聞いてな。君の答え次第では、亮平との関係を認めてもいいと思ってる」

そう言われ、会場での亮平様のセリフを思い出し、顔が熱くなる。

阿「顔真っ赤ｗ」

そう言いながら私の元へ

阿「俺は、本気なんだけど。あやはどうなの？俺無理やり付き合うとかは嫌だから」
『私も…亮平様が好き…です。だけど、私みたいなのが亮平様の事が好きなんて…』

私は恥ずかしくなり、下を向く。

阿「じゃあ、あやは俺の専属から外して。同じ部屋で生活していいよね？」
『えっ！早くないですか』
阿「いいじゃん、あやも俺の事好きなんでしょ？」

そうだけど…

阿「あと、専属はもういらない。あやを俺の専属にしたのは独り占めしたかったってだけだからｗ」
旦「あぁ、分かった」
奥「あやさん、これから改めてよろしくね？」
『はい、よろしくお願いします！』


次の年、小百合様と佐久間さんがご結婚されたって聞いた。

私は亮平さんと一緒にお祝いに向かった。

佐「あ、あやさんと亮平様」
『佐久間さん、小百合様、お久しぶりです。また、ご結婚おめでとうございます』
「ありがとう。お二人ももうすぐご結婚されると聞きました。その時はこちらからもお祝いに行かせていただきます」

そう、私は亮平さんにプロポーズをされ、もうすぐ結婚する。

阿「お気持ちは嬉しいのですが、今妊娠されてるとお聞きしました。お体を優先してください。」

そう、小百合様のお腹には赤ちゃんが。

幸せそうなお二人を見て、少し羨ましかったり…

いや、今もものすごく幸せなんだけど…

阿「どうした？」
『えっ…いや…』
阿「大丈夫。俺は絶対にあやの事、幸せにするから。」
『はい』
阿「あと…」

背の低い私の顔の高さに合わせるように、膝を曲げて…

阿「もうメイドじゃないんだし、敬語やめてほしいな」
『が…頑張ります』

…なんて言ったけど
当分敬語は抜けないんだろうな…

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